第13話こういうこともある
五十代で転生したわけが何かあるのだろうか?と山田がふと思う。
(ねぇ、山田ぁ、なんかぁ~、なんかねぇ〜)
リールが試着室からなんともな声が聞こえ、山田はなんとなく試着室に向かう。
うん?
山田か試着室の前に来ると、カーテンが開き、リールが現われた。
紺色ベースのローブを着たリール。とてもよく似合う。
うん?
この魔法使いのためのローブは、なんとなく、透けている?
リールがローブの下に着ているアンダーウェア?みたいなものが見える。
(なんか~、恥ずかしい。)
目のやり場に多少、困る。山田にはかわいい水着のように見える。
もともと美少女のリールがさらにかわいい。
(このローブ・・・)
山田が店主に聞くと、
(よい防具は着る人を選ぶといいますが、このローブは今まで着る人を待っていたのですよ)
(・・・・・)
なぜ、店主かがローンを組ませてくれたのか、わかった気がした。
(今までの服の上にローブを羽織ってはどう?)山田が提案した。
店主は、このローブとそのアンダーウェアはセットのようになっていて、この組み合わせで効力が出ると説明した。
少し、刺激的な服装ではあるが、防御力は十分で素早さ補正もあるなら、この防具を着た方が安全だと山田はリールに説明した。
(まあ、山田がリーダーだから、山田が着ろと言うなら・・・)
リールは納得したようだ。
あれっ、サーヤもリールと同じようなローブだったから・・・。
山田がサーヤの試着室の前に行くと、無言でカーテンが開き、顔を赤くして立つくしているサーヤが現われた。
白色を基調にした薄いローブから、水着のようなアンダーウェアが透けて見える。
こちらも、魔法使いのためのローブみたいだ。
(店主・・・)
(先程と以下同文で・・・)
山田はこの防具の防御力が高いこと、素早さ補正がつくことをサーヤに説明して、説得を試みた。
(・・・わかりました・・・)
サーヤにはなんとか納得してもらったところで山田は
「納得してもらったところで、村の中では普通の服にしますか・・・」と提案して、二人は試着室へ戻っていった。
美少女の二人にこんな刺激的な服を着てもらっては、村の若い男が寄ってきて、山田としては困るだけだ。
若い男も本能のままにやってくるんだから、止めようがない。
店主と二人になった山田は、ぼっそっと呟いた。
「店主、これはこの異世界の創造主の趣味なんでしょうね・・・」
「そうでしょうな・・・・。」
山田と店主はしばし無言であった。
サーヤとリールが着替えを終えて出てくると、店主が武器を薦めてきた。
「戦士のあなたには、この鉄線があれば、急なときには防御や苦無にように投げることもできるでしょう。」
店主は無骨な鉄の鉄線を山田に手渡した。
「聖職者のあなたには、この銀の弾丸が使える拳銃をお持ちになれば安全でしょう。通常弾もつけておきますよ。」
店主は白色の拳銃をカウンターに置いた。
「魔法使いのあなたには、いまお薦めの武器がありませんので、今度までに見繕っておきますよ。」
「なんか、ずるい」とリールは文句を言った。
こうして武装の準備ができた山田たちは防具屋を後にした。
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