第3話宿屋の親父に気に入られる

俺は宿屋の受付にいた親父に話しかけた。

(よく寝られたよ。いい宿屋だ)

親父は嬉しそうに笑った。

転生前はストレスと過労から、薬を飲んで寝ていたことを思えば、ここは素晴らしい睡眠が得られる。お世辞ではなかった。

(魔王が復活してから、魔物たちが勢力を強めて、北の森の方ではそこそこなレベルの魔物がでるようになって、困っているんだ)

(お決まりのクエストですね!)

俺は親父に魔物のレベルアップを聞くと、20ぐらいだという。

スタートの村としては、確かに魔物のレベルは高い。

しか〜し、俺のレベルは52。薬草などをしっかり準備すれば敵ではあるまい。

戦いに慣れておく必要もある。

(親父、これからここを定宿にして、北の森の魔物をたくさん倒して、安全にしてみるよ)

(ありがとうよ。戦士さん。)

親父は喜んで、いろいろ世話をしてくれた。

俺は有り金で薬草や松明、食料などの備品を買い、魔物退治に出掛けた。

親父は見送りにも来てくれた。

(いい親父じやないかあ)

親父の言う魔王のことは、転生前での国の話しみたいなもので、スケールがデカすぎて、俺とは絡まない。俺が何を言っても誰も聞いてない。

それより目の前の仕事。

魔物を倒したら経験値とお金が必ずもらえる!

しかも、薬草とか買ったのに、まだお金が残っている。

小さいけど幸せだなああと何十年ぶりにはしゃぐ山田であった。

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