第7話「展開早すぎね?By冴葉 ヒカル」
Side 冴葉 ヒカル
「いや~お母さんも最初は驚いたわ。昔色々あってね――クレセント女学園卒業後は色々と苦労したけどお父さんと結婚してこの町に住んだのよね」
「母さん・・・・・・色々の部分すっ飛ばし過ぎてないですか?」
思わず突っ込んでしまうが。
「あの、ヒカル。色々の部分は色々で――」
「あっはい」
お父さんが顔を真っ赤にした。
深く考えないようにしよう。
「で? どちらと結婚するの?」
「どうしてそうなるんですか!?」
爆弾を放り込んできた母親。
ソフィアさんは「あの、結婚についてはまだ・・・・・・でも私相手はおりませんし」と顔を真っ赤にして言って、
「私も相手はおらんが・・・・・・考えた事はなかったな」とアイヴィスさんも何故か顔を赤らめていた。
「まあそんなに月日が経過してないし――だけど脈はある感じかしら? 私の息子、そっちの世界ではどんな感じなの?」
「実は――」
と、アイヴィスが代表して話し始めた。
ファーストコンタクトの覗き騒動については暈かしてあるのが彼女なりの優しさだろうか。
「ローゼス家の令嬢と決闘ねぇ・・・・・・」
お母さんは知っている素振りを見せた。
「ご存じなんですか?」
当然の疑問をアイヴィスは投げかける。
「うん。私が女学園にいた頃も有名だったから。性格も親に似たのね」
「はあ・・・・・・」
話は完全に母親のペースだ。
ソフィアさんも圧倒されている。
「取りあえず二人とも帰った方がいいんじゃないかしら? 寮の門限とかあるだろうし」
「そ、そうですね」
ソフィアさんがそう答えた。
「じゃあヒカルもよろしくお願いします」
「ちょっと待て? 自分も異世界送り?」
なんか異世界に送り返される流れなんですけど。
妹は脳天気に「あ~いーなー」とか言わないの。
「せめて決闘イベントこなしてから考えてきなさい。警察や学校には上手い事言っておくから。今この機会を逃したらお嫁さん候補を逃しちゃうわよ」
「お嫁さん候補って――」
「あら、二人の事嫌いなの?」
「まだそんなに深い仲じゃありません!」
「うーん。私も異世界に一回行った方がいいかしら?」
なんだこの展開。
ソフィアさんもアイヴィスさんも顔真っ赤だ。
「その、異世界って危険な世界なんです。そんな簡単に――」
「それであの二人を諦められるの?」
「それを言われると――」
「大丈夫。アナタは私の息子よ。自分を信じなさい」
「異世界に逆戻りする流れ確定ですか?」
「だけど今日ぐらいは家でゆっくりしていきなさい。お父さんは二人を車に乗せて元の世界に」
「そんな気はしてた」
お父さんは諦めたようにソフィアさんとアイヴィスさんを車に乗せるために準備を始めた。
「なんだかなぁ・・・・・・」
僕はため息をついた。
正直言うと展開が前代未聞だ。
普通異世界に親公認に送り返されるか?
しかもお母さんも異世界人で、色々あってお父さんと結婚して。
ちょっとワケが分からなくなってきた。
部屋で休もう。
異世界≪日本≫のマジックメイル≪パワードスーツ≫乗り MrR @mrr
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