第4話「気がついたら――」

 Side 冴葉 ヒカル


 ベッドの上から身を起こしたら爆乳金髪美女――ソフィアさんが僕の身体の上で眠っていました。

 

 大きな胸の柔らかい感触。

 サラサラとして日に照らされてキラキラと輝く髪の毛。

 綺麗な美肌。

 可愛らしい寝顔。

 心地よい、良い香り。 


「あ――起きたんですね」


 そしてソフィアさんは照れくさそうに身を起こした。


「ここは医務室です」


 そこからあの事件がどうなったかを軽く教えてくれた。


「正直どんどんあの時の事を思い出して来て――ちょっと気持ち悪くなってきたと言うか何というか・・・・・・」


「大丈夫ですか?」

 

「その、何て言うか――元の世界に居た時は生物なんて殺めた事なんて無かったから・・・・・・これで人なんて殺した日にはどうなるんだか・・・・・・とにかく言いたいかと言うと・・・・・・」


 ソフィアさんは何を考えた僕の顔を豊満なバストに押し寄せた。


「辛かったら泣いてください」


「でも・・・・・・」


「大丈夫です。そんなサエバさんも私は受け入れます」


「・・・・・・うん」



 Side アイヴィス


 覗き見している女子生徒達を見てハァと溜息をついた。

 まあ私も人の事を馬鹿には出来んがな。


 ロザリアに至っては顔を真っ赤にしてプルプルと震えている。


 ここはどう言い繕っても女学院。


 恋愛事情は大きな話題の種だ。


 それもソフィアの事となればこうなるのだろう。


(これは後で揉めるな・・・・・・)

  

 などと思っていた。


「ロザリア、言っておくが」


「分かってます。分かってますが・・・・・・」


 ああこれ、絶対分かってないな。


「そっとしておいてやれ」


「ええ、でも――確かに助けられましたが・・・・・・やはりここは一度何かしらの形で・・・・・・」


「模擬戦でも申し込むか?」


 それを聞いてピタッと止まって。

 そして小さく、怪しげな笑いを漏らす。


「そうでしたわね。その手がありましたわ・・・・・・」


「やるにしても程々にな」


「だけどそれとこれとは話は別ですわ!!」


 そう言って医務室に突入するロザリア。

 

「何時までイチャついてるんですか!?」


「やっぱり皆さんも心配だったんですね」


「誰が心配などしますか!! 確かに助けられはしましたがこれとそれとは別ですわ!! サエバ ヒカル、アナタに決闘ですわ決闘!!」


「だって、サエバ君。ロザリアさんもお手柔らかにお願いね?」


「ふん、絶対に負けませんわよ!!」 


 などと言うやり取りが医務室から聞こえてくる。

 他の女性徒達も開き直って流れ込んでいった。

 ワイワイガヤガヤと騒いでいる。


 あんな事があったのに元気な物だと思った。

 

 しかし決闘・・・・・・もとい模擬戦か――


(どちらが勝つんだ?)


 あのサエバの異常な動きを見た後では正直勝敗は本当に分からない。

 

 不謹慎なのだろうが楽しみに感じていた。

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