第2話「襲撃」

 Side 冴葉 ヒカル


 金髪ツインテールロールの美女が現れた。

 名前はロザリア・ローゼスと言うらしい。


「アレだけの事をしでかしておいてどうして校内を自由に歩き回っているのか不思議で仕方ありませんわ」


 ロザリアさんは早速正論を突きつける。


「仕方ないだろう。意義を申し立てるなら学園長に申し立ててくれ」


 アイヴィスさんもそう返した。


「はあ・・・・・・学園長にも困った物ですわ。大体ここは女学園ですのよ? 異世界から来たなどと言う本当かどうかも分からない怪しい男を、監視があるとは言え歩き回らせるのはどうかと思いますわ。口には出しておりませんが皆さん納得しておりませんわよ」


 そう言われてソフィアさんも困ったように――


「確かにそれは問題ね~全員を納得させるのは無理でもある程度の人数を納得さえ出来ればいいんだけど」


「ソフィアさんは簡単に仰いますけど、そんな都合の良い方法がありますの?」


「試しにマジックメイルに乗せてみるのはどうでしょう?」


 ソフィアさんの提案にロザリアさんは「そうですわね。せめて私を打ち負かせる程の実力があれば周囲を納得させる事が出来るでしょうね」と胸を張って言った。


「あの人、強いんですか?」


「まあな」


 アイヴィスさんが即答してこう続けた。


「この学園の四騎士――そのウチの二人は私とソフィア。そのウチの一人が彼女だ。マジックメイルの中でも専用機を持っていて実力もそれ相応だ。並の王国騎士でも敵わん」


「そんなに凄い人なんですか? と言うかお二人も?」

 

「――まあな」


「ええ、そうなんです」


 アイヴィス、ソフィアさんがそれぞれ応えた。


「呆れましたわ。そんな事も知らずに一緒にいたのですか?」


 と、ロザリアさんが言うが――


「一々自慢することでもないだろ」


 アイヴィスさんがそう言った。


「まあそれはともかく、先程の話――」


 と、ここでけたたましい音が鳴り響く。

 学校の避難訓練とかを思い起こさせるような音だ。


「警報?」


「魔獣でも現れたのだろう――仕方ない、出撃するぞ。ロザリア、出れるな?」


「先輩には負けませんわ」


 二人は言葉を交わし、胸にぶら下げたペンダントを握りしめると――光と供にマジックメイルを身に纏う。


 アイヴィスさんは紫色のマジックメイル。

 手には大きな剣を持っていて、左腕波金色のクロ―になっている。


 ロザリアさんは赤い翼のようなバインダーがついたマジックメイルだ。

 右手にはランス、左腕には盾がついていた。


「私はこの方を――」


「大丈夫だソフィア」


「私達だけで十分ですわ、ソフィア先輩」


 そう言って二人は飛び去っていった。

 生徒達や教師らしき人物も一部は迎撃のために出動。

 避難するグループとで別れている。


「ここからだと格納庫が近いですからそこに避難を――万が一が私が守ります」


「どうもありがとう」


 そして僕とソフィアさんは格納庫に急いだ。

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