世界

《国家、組織》


シュトルムラント王国

 国王シュヴァルツが支配し議会が政治を執り行う、立憲君主制国家。また複数の州や領主の領地が集まってできた連邦国でもある。戦争に頼らない形で領土を拡大、治安を維持してきたため比較的穏やかな国ではあるが、十年前に起こった戦争の再来に備えている。


スミレのラボ(前・レギン工房)

 レギンの魔術、錬金術、占星術の研究所で、彼亡き今はスミレがレギンの一部事業を引き継ぎつつ防災と救命に関する研究を進めている。二階が住居スペースとなっている。キャンプ好きのスミレは畑のすぐ隣にかまどを作り、休日はキャンプスタイルで食べることにしている。


ハルトマン重工業

ツェッペリン造船社

 それぞれ、蒸気機関車、蒸気駆動車、スミレのリパルスドライブなどの工業製品を手掛ける製造系の会社と、飛行船の開発を手掛ける造船会社。しかしツェッペリン造船社は、飛行船事業に代わる新たなる事業を模索中。


サンティーエ帝国

 シュトルムラント王国の西に接する国家。鉄道でのアクセスが可能。


ヤマト帝国

大岑王国

 遥か東方の国家。岑とは大陸内でつながっているが、ヤマトは海を渡った先にある島国である。


日本

 スミレが対島菫として生きた世界にある国。


《移動手段》


リパルスドライブ

 スミレが考案したリパルサーを搭載したユニット。スミレの空飛ぶ靴アイビスはイオン推進器だが、エルフリーデとイレーネが乗るライチョウとハチドリはレギン原案の爆薬を調整した特殊燃料を用いた液体燃料ロケット。小回りが利く、滞空ができるという特性がある。


グローリアスドラゴン

 シュトルムラント王国をひとつとする多くの国、地域で使われている小型ドラゴン。羽毛と牙のある嘴を持ち、ドラゴンと鳥類の中間のような姿を取る。人懐っこく扱いやすい。


蒸気機関車と蒸気駆動車

 同じ蒸気機関を持つが、前者は鉄道、後者は四輪駆動車。石炭の加熱に時間を要する、一度加熱した石炭の冷却が難しいという弱点があり、鉄道のように長距離長時間移動に適する。


飛行船

 前後に細長いバルーンと、それに吊られているゴンドラ、両舷に推進器を持つ飛行手段。しかし風にあおられやすいという弱点を持つ。


フルークツォイク

 現在開発中の、飛行船に代わる移動手段。


《現代魔法、各種技術》


生命因子アークル

 人類はもちろん微生物に至るまですべての生命体が持つとされる、生命が常に生み出し消費し続けるエネルギー。魔法と魔術の発動に欠かすことはできない。


アガートラーム(ガントレット)

 スミレの右手首に巻かれたガントレットで、アークル制御装置を兼ねた、魔術式が多く書き込まれたマジックデバイス。前世の菫は事故で右腕を失っており、幼馴染が(多くの科学者の助力を得て)作り上げた同名の筋電義手を贈られている。


魔法と魔術の違い

 ともにアークルを消費することで現象を起こすことができる。魔術は錬金術と同様に学問であり、素質ある者が学べばある程度は行使することができる。しかし魔法はアークルの流れを感じ取り心から願って現象に変えるという技であるため、学問ですらない。


錬金術

 物理学とはまた一線を画する、神秘思想や魔術なども取り入れた科学。非金属類や雑金属からの黄金の生成、医療や薬学、賢者の石の研究、ゴーレムの製造や運用などもある。


ゴーレム

 泥に錬金術の薬剤とアークルを流し込み成型することで生まれる人形。かつては自我や痛みを持たない奴隷や兵士として使役されてきたが、コストパフォーマンスの悪さから製造法を見直され、現在では機械仕掛けの新型ゴーレムが研究開発されている。


《宗教》


女神ユースティティア

 正義と平和を司る女神。シュトルムラント王国及び周辺諸国で信仰されているが、その理念を悪用する宗教団体も少なからず存在する。


聖クライス

 海の向こうにあるクライス正教国で信仰されている古の聖人。クライスの教えを広めるための十三の使途を有する。だがゼルエルは根っからの無信者であった。


《日本》


アガートラーム(義手)

 スミレの姉と同い年の幼馴染が作った義手。最初はアルミ箔を張り付けただけの物だったが、いつの間にか筋電義手へと進化していた。スミレはそれを気に入り、見舞いに持ってきたリンゴの皮を自分で切ることができるように。名前の由来は、ケルト神話の王ヌアザの二つ名。


河川敷デーキャンプ/護床ブロック

 スミレが右腕を失い肺炎にかかるきっかけとなった校内イベントと防災設備。スミレはこのことから、アガートラームを作った幼馴染に「人の命を守るはずで人の命を脅かさない防災設備を作ってほしい」と防災ジオラマの制作を依頼した。


北三陸大震災/姫川消防署跡地・望海の標ぼうかいのしるべ

 大地震がもたらした日本史において空前の大災害と、津波から姫川町を守り抜いた震災の遺産。震災から十年以上経てど望海の標は防人のごとく静かにたたずみ、大きなその背中ですべてを語り続ける。

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