幸せのカタチ
_____ここからは、
◇◇◇◇◇
溝口から聞いた、誠と浩美の話。
アパートで2人を見つけたお母さんは、救急車を呼んだけど間に合わなかったらしい。
2人の葬儀に参列した溝口が言っていたことを思い出した。
「お母さんが言ってたんだけどね、アパートで2人を発見した時に、卒業アルバムやサイン帳が散らばってたらしいんだ。きっと、懐かしい話をしながら、楽しかったことを思い出しながら2人で逝ったんじゃないかって思ったって」
_____楽しい思い出の中でか…
「ふぅ…」
深いため息がこぼれた。
久しぶりに開いた卒業アルバムの中では、みんな楽しそうに笑っている。
近い将来、そんなことが起こるなんて誰も思いもせずに笑っている。
「なんでそんなことになってしまったのかなぁ?」
なんとなく、2人は仲良く暮らしていて、そろそろ可愛い赤ちゃんでも産まれてる頃なんじゃないかと思ってたよ、私。
誰もそんなことが起きていたなんて、思ってもいなかったよ。
それでも。
今も幸せなのかな?
2人一緒にいられるんだもんね。
永野 誠
永野浩美
同じ墓碑に同じ日付で掘られた名前を、そっと撫でた。
“ほら、こっちだよ、ヒロ!早く捕まえなよ!”
“ちょっと待ってよ、誠君!今度は絶対逃がさないんだから!”
今頃、またあの頃みたいに鬼ごっこしてるのかな?
_____2人のことは、忘れないからね
ずっと…。
ーーー完ーーー
幸せのカタチ 福子 @kagume
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