大概のものはすぐ集中力と興味が切れるんですが、気が付いたら終わっていて続きはよ!となりました。
一話ずつきちんと考えられてつくられています。自然な満足感がありどんどん次の話に移ります。
そして何より主人公が魅力的でカッコいいと思います。
知識と知恵があり、好感を持って感情移入できる。評判や印象を考えて動きながらも、自覚していないけれど常識的なところがいい。
裏切り者は許さないという自分の中の絶対ルールがあるのもいいです。リアルな恨みはそう消えないものですよ、その裏には深い哀しみと怒りがあるのだから。その方が人間らしくて魅力的だ。
蓋を開ければ開けるほど領地経営のずさんさが明るみになっていって、こんなん詰んでるでしょどうするのとわくわくしながら読んで、主人公が考えながら手を打っていく過程が勿論醍醐味で、面白いんですけど。
虐げられていた弱者だと思っていた村民までこれかと呆れる、人間をキレイな作り物にしてないところがこの作品の中で濃い味付けになってるのかなと。
人間には優しいところもあるし善良なところも確かにある、だけどそんなにキレイなものじゃない。
主人公はきちんと線引をしてけじめをつけさせるけれど絶望して理性を失くすことはない。その強さもステキだなと思う。
話の展開が面白いのはそうなんですけど、私は主人公がいいと思う。まだ序盤ですがのめりこめる面白さがあるのでオススメです!