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side. Akihito





「休み…?」


「あ、ああ…佐藤なら、今日も来てないけど…」




音信不通になったアイツは、

今日も学校には来ていなかった。







俺の誕生日の後。

アイツは何事もなかったかのように、俺を誘ってきた。



誕生日の一件は…

どうやら酔いつぶれ、何も覚えてなかったらしく。


中途半端してしまった誕生日会のお詫びがしたいのと、改めてプレゼントを贈りたいんだと…保の方から言ってきたんだが。





保が覚えていない事に、正直安堵した自分がいた。


いくらほろ酔い気分っつっても、ほぼシラフだったこの俺が。雰囲気に飲まれ、あんなコトをしちまうだなんて…



どうかしてたんだ。







動揺を悟られねぇように、保の誘いを了承したのは良かったんだが…やっぱり俺だけ意識しまくりで。


平静を装えば、それが逆に不機嫌そうに見えたのか。

アイツがしょんぼりし出すもんだから。



気を遣わせねぇよう、なんとか平常心に努め。

いつも通りを貫いたんだ。






けどアイツはがなくても、常に俺を意識してるみたいだから。

ことあるごとに顔を真っ赤にしては、あたふたし出すし…


不覚にも可愛いだなんて思ってしまった俺は。



いけないと知りつつも…気付けばアイツに気を持たせるようなコトばかり、してしまっていた。









タイムリミットなんて来なければいい。

柄にもなく、誰かとずっとこうしていたいだなんて思ったのは初めてで。


保との時間はあっという間に過ぎて行き…

気付けばもう、夕方になってた。





明日から新学期。

コイツは真面目なヤツだし、そろそろ帰してやらねえとって…



それでもやっぱり、何処か物足りなさを感じてると。

隣を歩く保も元気なく俯き…分かり易いくらいに帰りたくないって顔して、黙り込んじまうもんだから。






「メシでも食ってくか?」


後少しくらいならって誘惑に負け、

次には自ら延長を申し出てた。



そん時ちゃんと帰してやってれば。

保をあんな風に傷付けなくて済んだってのに、な…









大通りから外れた、

かなり寂れた感じのファミレスを目指していたら。





「あれぇ~お前、上原じゃね~?」


間の悪いことに…中学時代、ちょっとだけ連んでいた奴らと遭遇してしまった。



元々、群れるのが嫌いだった俺だから。

コイツらともすぐそりが合わなくなっちまって。


別に友達でもなかったし。

自然と離れていったんだが────…




特に声を掛けてきたコイツ…鼻ピアスの下品な男、

重野しげのって野郎は。

当時好きだった女を俺に寝取られたとかで、勝手な因縁を付けてきやがって。


常に敵意剥き出しで、俺へとよく絡んできてた気がする。

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