真夜中の猫カフェ

木の葉きつね

第1話 真夜中の猫カフェ

ありふれた日常の中にある日、突然の非日常が現れたらなぁなんて思いながら乾深琴はパソコンをカタカタと鳴らし上司に頼まれた書類を作成していた。

 

別に異世界に行きたい!とかじゃないんだよなぁ。

 なんかこう毎日毎日仕事して残業して深夜に帰宅してまあ起きて仕事してっていう日常につまらないなぁって感じてしまうんだよな。

かと言って結婚したいとかそう言う事でもないし、結婚と言えば私は今年の7月で27歳になる。


大学を出てこの会社に入社して5年。同期の何人かは寿退職していった。

 そして私は特にやりたい事もないし結婚願望もないこのありきたりの日常にうんざりしていた。

  

そんな事を考えていたらお昼の鐘がなった。

 

んーっとひと伸びして深琴は書類を保存してパソコンを閉じた。


黒炭の髪を1つにまとめ緩くサイドポニーにしている髪をおろし鞄から櫛と鏡をだして髪をとき身だしなみを整え、深琴の瞳のとよく似た黄緑色のアイシャドウを塗り軽くアイメイクを直す。

 深琴の楽しみはお昼休みのランチタイムだ。

 基本仕事がある日のランチは外で食べている。

 オフィスビルが建ち並ぶこのオフィス街には沢山のサラリーマンやOL達がランチに行く為飲食店が充実している。

 今日はどこに行こうかな?とウキウキしながら荷物を纏めてると

 「せーんぱい!ランチ行きましょー!」

 後ろから声をかけて来たこの子は後輩の柚森美夜。

 桃色の、肩まであるゆるふわな髪にアーモンドの瞳をした彼女はランチ仲間だ。

 「みーちゃん今日はどこ行こうか」

 「美夜はパスタの気分ですー!あっ先輩またみーちゃんって言いましたね!みーちゃんってなんか猫みたいじゃないですかー」

 みーちゃんと呼ぶとジト目でこちらを見てくる彼女が可愛くてつい呼んでしまう。

 「あははごめんって」

  美夜は時々猫っぽく見える時がある。昼間はいつも眠そうにしていて時々窓の外にいる鳥をガン見している。

  焼き鳥が食べたいのかなと思って誘ったらびっくりされてお断りされた事もある。

  もー猫じゃありません!って頬をぷくっと膨らませた。

  

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真夜中の猫カフェ 木の葉きつね @konoha-k

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