第9話
「……迷った」
「……だね」
僕と陽向は途方に暮れる。
迷路のように張り巡られる日本の鉄道網を前に僕と陽向は迷子になり、途方に暮れてしまっていた。
「ど、どうしようか……」
「うーん。どうしようね」
何故かはわからないけど、僕と陽向は千葉の方にまで来ていた。
僕と陽向が住んでいるのは東京。秋葉原があるのは東京。今、僕たちが居るのは千葉県。
うん。遠ざかっているね。なんでだろうか。本当になんでだろうか。
「電車って……難しいね。うん」
「そうだね……」
僕と陽向は共に頷きあう。
「えっと……うーん。この駅はどこだろうか?」
「西船橋だね」
「どこ?」
「さぁ?」
僕と陽向は首を傾げ、駅で何もできずに途方に暮れる。
「見てもわからないねー」
「ねー」
僕と陽向はともになんか駅につけられている看板を見て、首を傾げる。
「まぁ、適当に乗っていればいつか着くんじゃないかな?」
「うん!そうだよね!」
僕と陽向はとりあえず適当な電車に乗って、出発した。
■■■■■
「ついたぁー!!!」
「ついたぁー!!!」
僕と陽向は空が暗くなった秋葉原にたどり着き、共に手を上げて歓声を上げる。
ようやく……本当にようやく秋葉原へと僕たちはたどり着いた。
駅で迷いに迷い……アルファに電話をしてナビを受けてようやく僕たちは秋葉原についたのだ。
「今日はもう無理だね……どこか適当なところに泊まろうか」
今日はもう夜遅い。
こんな時間に秋葉原を散策するなど不可能であろう。
「そうだね!」
僕と陽向はどこか泊まれる場所を探すべく、歩みを始める。
「あ。あった」
僕はとある一つのホテルを見つける。これ以上探すのも面倒だし、ここで良いだろう。
「え……あ?こ、これは……ら、ラブホじゃ……」
何故かは知らないけど、僕の隣にいる陽向の表情が引きつる。
……ラブホ?何それ。
「良し!入ろうか!一緒の部屋でいいよね?」
僕は見つけたホテルのところに入っていた。
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええええええええええええええええええええええ!?」
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