第20話
太陽が沈み、夜の世界。
僕たちが東京タワーの地下へと向かう日。
「ふんふんふーん」
僕は気分良く家の中で鼻歌を歌っていた。
今、アルファは先に下見として出かけている。
そのため、家の中にいるのは僕一人である。
プルルルルルルルル
僕が一人家の中でぬぼーっとしていると、スマホの着信音が鳴り響く。
「『暗天』藤」
それは、出陣の合図である。
この場の空気、威圧感……何もかもが一変する。
この世界に……本来姿を表してはならない存在……深淵なる闇が誕生する。
「我が意を示さん」
一つの巨大な闇の意思。
それはこの世の理さえも捻じ曲げる。
世界にひびが入る。
ありとあらゆる空間へと通じる穴が開かれる。
「王の凱旋を讃えよ」
僕は世界のヒビへと身を浸し……暗い世界へと降り立つ。
この世界の大いなる闇の中へと。
……。
…………僕ってばただただ趣味で影の実力者っぽいことをやっていただけなのに、なんか本当に闇と戦っていない?これ。
まぁ、かっこいいから良いけどッ!
「……お待ちしておりました。ゼロ様」
僕を待ち、仕えるのは唯一の騎士、アルファ。
「全ての準備が整っております。全てはあなた様の意のままにマイロード」
「我が望むは一つ。絶対的な成果である。我が物たる地球に蝕む寄生虫の排除だ」
「心得ております。我が王」
「汝が役をこなせ。我は我が道を征く」
「ハッ」
アルファが僕の横から消える。
「さて、と……」
僕は魔力を開放しここら一帯の人の気配を探す。
何か面白いことないかなぁー。
「……あれ?なんでここに陽向と佐倉が居るの?」
僕は陽向と佐倉の気配を発見し、首を傾げた。
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