第15話
「それで、だよ」
佐倉が陽向の方へと視線を向ける。
「これからどうする?」
「当然亜蓮を探すよ。それしかない。それ以外あり得ない」
佐倉の疑問の声に陽向ははっきりと断言する。
「だよね!……そのためにはまず私の研究所を襲うところからだよね。多分色々と知っている可能性が高いし。今でも研究所の場所は忘れてないし、出ていくときに色々と情報を見てきたから各地にある私の研究所と同じ系列の建物を簡単に見つけるはずだよ」
佐倉の持っている情報は異常なまでに多かった。
己という存在を正しく理解させなくする力は潜入の分野において絶対的な力を持っていた。
「本当か!……それは頼もしいな」
「亜蓮って人を探すのであれば私も全力でサポートするよ。そうしなきゃいけない気がするから!」
「ありがとう……!」
佐倉の言葉に陽向が感涙の言葉を上げる。
「じゃあ……これからどうするかを考えないとだね」
陽向と佐倉。
二人は亜蓮について情報を集めるために作戦を立て始める。
亜蓮の存在を追うために。
「私が亜蓮のことを覚えているのは……彼を一人にしないためなのだから!」
佐倉が元いた研究所とこの世界の王たる亜蓮は別物だ。
しかし、亜蓮という少年は趣味で陰の実力者をやっている人間であり、よくわかっていないのにも関わらず佐倉が元いた研究所と激しい戦いを繰り広げていた。
亜蓮と陽向が交わるときも近かった。
■■■■■
少女は歩みを始めた。
交わるはずのない少年と少女の縁は既にこれ以上ないまでに交わっていた。
少年は未だに眠っている。
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