第28話

「と、とりあえず現状の確認から始めようか!」


「うん。そうだね。……天文学部の方に行こう。龍魔と佐倉がいると良いんだけど……」

 

 今、僕が一番心配なのが佐倉だ。

 あの子は無事だろうか……?龍魔は大丈夫でしょ。あいつはしぶといし。


「暴れんなよッ!」

 

 僕は刀を握って、大地を駆け抜け魔物を斬り殺し……先へ先へと進んでいく。


「ほ、本当にひどい状況ね……」

 

 魔物たちはただの一般人であってもかなりの実力を持っているし、僕が育てた戦闘民族覚醒済み大和民族の狂戦士たちもいるし、魔物は順調に倒せているし、人の死体が放置されているような状況でもない。

 しかし、それでも魔物の数は多いのか、街全体が荒らされ荒らされまくっている。

 

「……この街以外は大丈夫なのかな?」


「ん?多分大丈夫だと思うよ。僕と龍魔は全国に派遣されて、戦闘民族を育てているからね」

 

「……え?そんなに忙しかったの?」


「そうだよ?一ヶ月くらい鍛え続けたんだよ。僕と龍魔は。僕と龍魔以外にも、教え方を教えたりもしているから、日本人の半分くらいが覚醒していると思うよ」


「……本当に何をするつもりだったの?大東亜戦争でも始めるの……?」


「始めないよ。始めるわけ無いじゃん。……でも、結果的に良かったでしょ?」


「まぁ、そうだけどね。でも、結局は結果論なんだけどね」


「まぁね」」

 

 僕と陽向はダラダラとお喋りしながら先へ先へと進んでいく。

 そして、学園が見えてくる。


「あ、すごい人だかりだ……」

 

 見えてきた学園。

 そこには多くの人が集まっていた。校庭に人だかりが出来ているし、多くのテントが貼られている。

 どうやら学園が避難所となっているようだ。


「とりあえず到着……っと」

 

 僕と陽向は学園につき、一息ついた。

 

「まずは、天文学部の部室に行かないとだね」


「うん。そうだね。……早く行こうか」

 

 僕と陽向は人混みの中をかき分け、天文学部へと向かった。

 というか、これだけの人の量であれば、天文学部の部室も使えなのではないだろうか?

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