第25話
「ほらほらほら!ボコボコにいじめてあげるよッ!!!」
僕は上機嫌に床へと倒れた巨人の魔物の上へと乗り、動けない巨人を滅多刺しにしていく。
「マジで冗談抜きに可哀相だから辞めてあげなよ……」
「……ん?」
「理解できないと言わんばかりに首を傾げないでよ……これで良いのかな……?なんか私の思っていたのと違うんだけど」
倒れた巨人が起き上がれないように大規模な魔法を使っている陽向がボソリと呟いた。
「うるさいよ。安全な方が良いでしょ……?」
「まぁ、そうなんだけどね」
僕の言葉に陽向も頷く。
「そうだ、ね!うん!そうだよ!この世は弱肉強食!勝てば良いんだよ!」
陽向は輝かしい瞳を浮かべて告げる。
巨人の腕をグリグリしながら。巨人の動きを魔法で止めながら。
「今、僕よりも遥かに陽向の方が残虐だからね?」
「……え?」
僕の言葉を聞いて陽向が信じられないと言わんばかりの表情を浮かべた。
■■■■■
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
無念の声を重ね、巨人がダンジョンの中へと吸い込まれていく。
「よし。終わりだね」
巨人が居なく成り、地面へと堕ちた僕は一言告げる。
「うん。そうだね。お疲れ様」
「お疲れ様……それで?ダンジョン踏破した後は一体どうなるの……?」
「えっと、それはね。最下層の部屋が一度だけ青く光って、そしたら外に出るための魔法陣が出現。そこから人が出た後、ダンジョンが崩壊するんだ。その際、ダンジョンに居た人も全員強制的に外に出てくるよ。
「へぇ、そ」
「「……ッ!?!?」」
僕と陽向は共に嫌な予感を感じ、即座に戦闘態勢へと映る。
「は……?」
その次の瞬間。
この場が紅く光り、点滅し始めた……。
「え?確かダンジョンって踏破された後は青く光って、一度光るんじゃなかったの……?」
「その、はず……。というか、私も一度見たことがあるんだけど……え?なにこれ」
「真逆じゃんか」
僕と陽向は当然の出来事を前に呆然と立ち尽くした。
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