第13話
多くの冒険者が屯し、魔物との激戦を繰り広げているダンジョン。
そこに僕と佐倉はやってきていた。
「狩れ狩れ狩れ狩れ狩れぇぇぇぇぇえええええええええええええええええッ!!!」
「おうよッ!」
佐倉を肩車して走り回る僕。
「はい。じゃんじゃん!」
そんな僕の手に握られているのは佐倉がスキルによって作ってくれた刀だ。
この刀には魔力が込められていて、今までの少量の魔力しか込められていなかったもともと僕が使っていた刀による攻撃とは一線を画す力を発揮する。
「ほい。じゃんじゃん!」
刀で魔物を斬り崩し、魔物の魔石を抜きとり、別の魔物へと向かっていく。
「食費だーッ!!!」
「課金代だーッ!!!」
「させないからね!?お兄ちゃん!?」
「( ´・ω・`)」
僕は佐倉の言葉を聞いてしゅんとした顔を浮かべる。
駄目なのか……少しくらいは良いかなって思ったんだけど……。
「ほら!今日はちゃんとしたものを食べるんだよ!コンビニに行くんだよ!」
「コンビニは高いからスーパーね」
「……( ´・ω・`)」
今度は僕の言葉を聞いて佐倉がしゅんとした顔を浮かべる。
「よしっ……と。そろそろ帰ろうか。スーパーの半額品のシールが貼られているだと思うから」
「あぁ……なるほど、もうその時間帯が。ご飯!ご飯!……え?惣菜にするつもりなの?」
「え……?そのつもりだけど?」
「は?」
「ん?」
「駄目に決まっているじゃないか!ちゃんと自炊しないとッ!栄養素とか、節約とか、色々しないとッ!惣菜で終わらせるなんてなんて甘えたことを言っているの!?」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええええええええええええええええええ!!!」
僕は佐倉のその言葉に驚愕の声を響かせた。
■■■■■
「え……何アレ?」
「子供……だよな?」
「つんよ。なにあれ。つんよ」
「なるほど……あれがなろう系主人公ってやつか……格が違う……」
「ダンジョンで一体どんな会話しているんだよ。平和か」
「節約……大変だよな。うん。栄養素をしっかり摂るの無理ゲーだよな。うんうん。わかる……わかるぞォー!」
「その前に課金って……」
「あんな強いならもっと有名になって、ちゃんとお金を稼げるはずだが……。なんでだ?」
ダンジョンに現れた小さな一組のペア。
その存在は冒険者たちを困惑の渦へと叩き込み、大きな話題となったのだった……。
しかし!それを亜蓮が知ることになる日は来ないだろう……。
なんて言ったて彼は未だに自分がただの一般通過モブであると信じているのだから……!
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