第9話
「ふんふんふーん」
僕は佐倉がお国の人たちと一緒にバイバイし後に公園で捕まえてきたカタツムリを炒めていく。
広東住血線虫が暴走しないように、じっくりと熱していく。
「よし」
いつもどおりバターとにんにくとそこらへんの雑草を炒めて作るわが家伝統料理エスカルゴが完成!
「んー。美味し」
フライパンに置かれたままのエスカルゴを頬に含み、表情を和らげる。
本当に美味しい。絶品である。
ドンッ!!!
「ほえ?」
僕が美味しくエスカルゴを食べている時。
家の扉のドアに強い衝撃が加わっていく。
「……えっと」
なんだろうか、この現状。
今の現状。
ものすごく既視感があるんだけど……なんで僕の優雅なエスカルゴの食事には毎回邪魔が入ってくるの?
「はーい」
僕はしぶしぶながらも立ち上がり、玄関の扉を開ける。
「……は?」
「ふへ。来ちゃった」
「……は?」
「お兄ちゃーん!!!」
僕のお腹へと突撃してきている小さな影……佐倉だった。
「……は?」
つい一時間ほど前に連れて行かれたはずの佐倉を見て僕は疑問の言葉を口にする。
「ひどいよ!お兄ちゃん!私をお兄ちゃんと離れ離れにするなんて!私とお兄ちゃんは兄妹なんだよ?ずっと一緒にいなきゃいけないんだよ?わかっているの?ねぇ!!!もう!なんとか言ったらどうなの?……むぅ。ひどいんだよ。本当に。お兄ちゃんは駄目なんだから。……やっぱり私がしっかりしてあげなきゃだよね!というか、夜ご飯がカタツムリってのがまずおかしいよね?お金の管理はどうなっているの?だらしないんだから。自分の趣味にたくさんお金を使っちゃだめだよ?まずは自分の生活なんだから。健康的な生活は何よりも大切なんだよ。うん。……ねぇ、聞いているの?お兄ちゃん。ねぇ!」
壊れたダムより流れ出る濁流のように佐倉の口からものすごい量の言葉が溢れ出ている中。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああ!!!」
僕はとても大きな……天驚愕の声を上げた。
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