第6話

「あっ……な、なるほど……そういうこと。完全に理解したよ。う、うん」

 

 僕の説明を聞いてアホ面を晒していた陽向が納得が言ったように首を縦に振る。


「私がこの子が一体何ものなのか……調べれば良いんだよね?あっているよね?」


「うん。あっているよ」


「わかった。あ、それくらいなら私でも出来ると思うから」


「それは良かった」


 僕と陽向はサクサクと円滑にコミュニケーションをとる。


「なんでこの子の個人情報を陽向が調べる事ができるんだ?……俺だけ話に置いていかれているんだよなぁ……陽向が普通じゃないのはなんとなく察しているけど。亜蓮は一体何なんだ?」

 

 話に一人だけついていけていない龍魔はポツリと言葉を漏らす。


「はっ!?そういえばなんで亜蓮ってば私と話通じているの!?」


「え……?今更?どうせ僕は前から君のところに目をつけられているから気にしなくていいよ」

 

 定期的に僕のことを尾行してきている人がいるし。

 間違いなくこの人たちは陽向のところの人間だと思う。

 ……えぇっとなんだっけ……保安調査部第三部隊だったけ……?なんか文字少ないような気も……まぁ、良いや。

 僕は少し前にこんな漢字の名前の組織に侵入して大きく暴れたことがあるため、この組織については少しだけ知っていた。


「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええええええええええええええええええええ!!!そんなの私知らないよ!?」


「良かった……どうやら話についていけていなかったのは俺だけじゃなかったようだ……いや、陽向も今更すぎるけどね!?」


「……た、確かに。それもそうね。い、今更気にしないほうが良いわよね?うん」

 

 陽向は一度大きく頷き、意識を切り替えるように自分の頬を叩いた後。

 佐倉の方へとその視線を向ける。


「えぇっと……ちょっとだけ私の質問に答えてもらっても良いかな?」


「うん!わかった!良いよ!口の臭いお姉ちゃん!」


「はぐぁぺきょぷっぺらぁー!!!」


「良い?佐倉。この口臭いお姉ちゃんの言うことをちゃんと聞くんだよ?」


「はぐぁぺきょぷっぺらぁー!!!」


「うん!わかった!」


「……一切の容赦ねぇな。やっぱりこいつら普通に兄妹だろ。それ以外ありえないだろ」

 

 僕たちのやり取りを見ていた龍魔が辟易とした様子で呟いた。

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