第32話
先生の一声。
それを聞いてみんなが先生の元に集まり始める。
「はい!……君たちってば一つのグループで塊すぎじゃない?もっとバラけて良い感じにやるようにグループ分けとかやるのは面倒だから、任せるけど」
「……先生」
クソ適当な先生の言葉を前にため息をつきながら、一人の男子が立ち上がる。
「はい。じゃあ、俺が個人的な主観で良い感じに分けていくぞ」
立ち上がった生徒の名は堀宮一翔。
うちのクラスの学級委員長を務めている男だ。
「良い感じに分けるといえども二人が飛び抜けているんだよな……魔法やスキルが使えないっていう大きなハンデを持っているのにクラス内最強だからな……転校生もやばいし」
僕が魔法とスキルが使えない。
その話はいつの間にかクラス中に広まっていた。
なので、僕には一度だけ落ちこぼれの烙印が押されてしまっていた……なんか影の実力者の表の顔っぽくて良い!って思ったのだが、何故か。
僕がダンジョンに潜って適当に魔物を潰していたら、
「もう陽向対男子全員……」
「僕対女子全員だね。魔法とスキルもなしなら何の問題もないと思うよ」
「あっ……私も平気だよ」
「……いけるのね」
「うん。普通によゆーだと思うよ」
「うん」
堀宮くんの少しだけ引いたようなの言葉に僕と陽向は頷く。
「なんかこうも断言されるのは悔しいな……男子も女子も、この二人に絶対土をつけてやるぞッ!!!」
「「「おーッ!!!」」」
堀宮君の言葉にクラスのみんなが一致団結して、拳を天へと掲げる。
特に龍魔と有本さんの気合が入っていた。
「じゃあ、やろうか」
僕は立ち上がり、少し離れた場所に移動し、僕の方に向かってくる女子たちを眺める。
「んー。怪我はさせちゃ駄目だよねぇ……手加減が難しいなぁ」
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