第27話
放課後。
僕たちは学校の近くのハンバーガー店であるマッカに寄っていた。
陽向と有本さんのマッカに行きたいという強い意向により、僕たちの中で放課後にマッカに行くことがルーティーンとなっていた。
「美味しいぃー!!!」
僕はマッカのハンバーガを笑顔で頬張る。
マッカのハンバーガー代は全て陽向が出してくれている。
そのため、僕は一切の遠慮も躊躇もなく美味しくハンバーガーを頂いていた。
「お前は良くもまぁ……そんな躊躇なく他人の奢りの物を毎日食べれるよな」
「ん?ふっ。これが今の僕の生命線だからね……意地汚くもなるよ」
今の僕の食事は毎日の今、この時だけが僕の食事を食事を楽しめる時間なのだ。それ以外の時、僕は何も口に出来ていないのである。
それに陽向は勇者だ。
しっかりとお金は持っているだろう。僕にマッカのハンバーガーを奢るくらいさしたるダメージでもないはずだ。
「お前……ゲームに課金しすぎるのは辞めろと言っているじゃないか……」
「課金させるような仕組みを作っている運営がいけない」
「いや、生活費まで切り詰めているお前が100悪いぞ」
「えぇ!?生活費まで切り詰めているの……?大丈夫?」
「ん?あぁ、大丈夫だよ。大丈夫じゃなかったらここに居ないよ」
魔物の体にある魔石。
あれは魔法やスキルを使用する際に使う魔力の結晶体。
人間がダンジョンに潜って、魔法やスキルを使えるようになるのはもともと持っていなかった魔力を手に入れられるため。
僕はそんな魔力を豊富に持っている。
そして、魔石は発電するに使われる環境に優しい新エネルギーとして使われている。
僕は自分の魔力だけで発電出来るので、電気代の心配はないし、水は公園のお水を飲めば良い。
食事以外は何も問題はなかった。
「いや、金なくて虫や草を食べているお前は大丈夫なのか……?」
陽向や有本さんに聞こえないような声で龍魔がボソリと呟く。
「いやぁー、お金ないからマッカ奢ってくれるの助かるよ。ありがとね」
物騒になっているらしい世の中。
そんな中でも僕たちは平和な日常を送っていたのだった。
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