第18話

「がぅあ!!!」


「よいしょー」

 

 僕はジャンプで襲いかかってきた犬っころを刀で、真っ二つにして殺す。


「はい。おわーり」

 

 結局真面目にダンジョン遠征に向き合うことにした僕たちはダンジョンに潜っていた。

 やっぱりやるなら一番が良いよね!しっかりと一位を取ることができるように僕たちの班は大きく動いていた。


 倒した魔物の数と質で点数をつけて

 なので僕たちの班は今回行くことが許されている最も低い階層で魔物を狩っていた。

 ダンジョンでは、下に行けば行くほど魔物が強くなっていくのだ。


「みんなどうかな?」

 

 刀についた血を払ってから納刀した僕は他の三人の方に視線を送る。


「ラァッ!!!」


「ぐるぁッ!!!」


「クソッ……犬っころがぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああ!」

 

 龍魔は己の手に握られている大剣を振り回して。


「クッ……」


「ぎゃんッ!!!」


「これでッ……!」

 

 有本さんは自分の拳を握って


「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああ!!!」


 龍魔と有本さんは自分の目の前にいる犬っころと互角の戦いを演じていた。


「くぅん……」


「えい!」


「きゃんッ……ぃぁ」

 

 一方。

 勇者である陽向は圧倒的な力でもって犬っころを瞬殺していた。

 別に陽向は勇者としての力を使ったわけではない。

 勇者特有の武器である聖剣も聖鎧も使っていないし、勇者だけが使える特別な力とかも一切使っていない。

 それでもなお圧倒的な力を持っていた。

 

 勇者として教育されている彼女は何もかもがただの生徒と次元が一つ、二つ違っていた。


「今助けますね!」


「あ、じゃあ僕も」

 

 陽向と僕。

 同時に地面を蹴る。

 

「ヤァ!」

 

 陽向は自分の手に握られている剣を振るい、有本さんと戦っていた犬っころを一刀両断し、僕も抜刀術を用いて龍魔と戦っていた犬っころを瞬殺する。

 この程度造作もない。

 らくしょーもらくしょーである。


「いぇーい」


「い、いぇーい」

 

 犬っころを倒した僕と陽向はハイタッチを交わした。

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