第7話
「どうしよう」
僕は割れてしまった改造ダンジョンコアを前に呆然とつぶやく。
まさかこんなことになるとは思わなかった。
「ど、どうしよう……絶対に壊しちゃ不味かったやつだよね。これ……というか壊して良いものなんてないよね!?あれってばマッサージ機じゃなかったの!?」
僕は割れてしまった改造ダンジョンコアを前に困惑し、どうすればいいかわからず立ち往生する。
「と、とりあえずはなかったことにしよう。僕は何も見ていない。うん」
僕は華麗に現実逃避し、この場から立ち去ることを決める。
改造ダンジョンコアの破壊後、何故かこの場所全体の構造、どこに人がいて、そこにいる人は何者なのか。
それをはっきりと確認することが出来るようになっていた。
僕ってば広範囲の索敵とか苦手だったんだけど……何故だろうか?
「まぁ、良いや。とりあえず僕が向かうべきなのは陽向の方だよね!」
■■■■■
廊下を超え、マグマを超え、迷路のようなところを抜け、色々な部屋を抜け……僕はとうとう陽向のいる場所にまでたどり着く。
「くっ……」
陽向はまたもや男の人に追い詰められたような状態でそこに立っていた。
ボロボロとなっている陽向に対して、陽向の前で平然と立っている男。
男はビシッとスーツを着こなしていて、出来るサラリーマンのような男。
何か普通の人と比べておかしなところは何もない……そんな男が唯一普通ではない凶悪な鞭を手に握り、禍々しい狂ったような笑みを浮かべていた。
「くくく……その重りを抱えたままどこまでやれるかな?」
ボロボロの陽向。
その陽向の後ろには気絶している子供たちが転がっていた。
「黙れッ!」
陽向はボロボロの体を抱えたまま叫ぶ。
勇者なのにずっとボロボロじゃない?陽向……。大丈夫なのかな?
「そうか。そうか。くくく……」
男は陽向をいたぶるように鞭で叩き……後ろにいる子供たちすら狙って男は鞭を振るう。
「はっ……はぁ……ぁ……」
すでに陽向は限界のようだった。
なんとかさばこうと努力はしようとしているものの、後ろの子供たちを狙っている男の攻撃から子供たちをかばうのは非常に困難であり、陽向であっても苦心していた。
「それを捨てれば、貴様は助かるだろう。……この俺よりも貴様は強い。その重りさえなければ貴様が倒されることはない。わかっているのだろう?」
男は静かに陽向へと話しかける。
「お前に救えるのは極一人握りだと」
出るタイミングないんだけど、どのタイミングで登場するのが一番カッコいいかな?
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