第4話

「あ、あの……昼ごはんを食べないかな!?」

 

 屋上で食べていた僕と龍魔に弁当を持った西園寺さんが話しかけてくる


「……?」

 

 僕は今、目の前に立っている西園寺さんを見て首を傾げる。

 普通、屋上は立ち入り禁止なのだ。

 ただ僕と龍魔が天文学部で、星を見る関係で屋上の鍵を管理しているため、特別に僕と龍魔は屋上でご飯を食べることが出来るだけの話であり、普通の生徒は屋上に来れないはずなんだけど……?

 

 というか本来は僕も龍魔も駄目なんだけどね。

 ただちょっとゴリ押しているだけで。


「まぁ、良いよ」

 

 疑問に思いはするも……まぁ、良いや。

 別に僕が気にすることではないし。


「本当!?ありがと!」

 

 ぱぁーっと輝くような笑顔を見せた西園寺さんは僕の隣に腰を下ろす。


「お近くに座らせてもらいますね」

 

 そして、僕の隣に座っている龍魔に深々と頭を下げる。

 

「あ、あぁ……良いぞ」

 

 龍魔は困惑しつつも、頷く。


「あっ……お、美味しいそうな弁当だね?」

 

 なんで疑問符?


「ふふふ……自信作なんだよ!今月はお金残っているからね!」

 

 今日のお弁当は豪華である。


「……普段は課金しすぎて金無くて困っているものな」

 

 そうなのだ。無慈悲なゲームがいつもお金を吸い取っていてしまうのだ。そのせいでお金がいつもない……。


「えぇ!?だ、駄目だよ。たくさん食べないと……!自信作ってことは、自分で作っているの?」


「そうだね。弁当は自分で作っているね」


「凄い!あ、私も自分で料理とかして、自分でお弁当を作ってみたいんだけど……両親が料理は危ないからダメだーって言われちゃて……もう私も高校生なんだけど」


「西園寺さんの両親は過保護なんだねぇ」


 いつも家に居ない僕の両親とは大違いだよ。

 基本的にどこかしら、いたる所に飛び回っているような人たちだから、会うことがほとんどない。最後にあったのはすでに二年前である。

 まぁ、居なくても問題なく生活出来ているし……両親が居たら課金するの許してくれなそうだし、居なくて結構何だけど。


 というか、西園寺さんはだよね……?料理なんかが危ないのか?包丁刺さっても、油を被っても平気だと思うんだけど……。


「あっ……さ、西園寺じゃなくて……その」


「ん?下の名前でってこと?」


「うん!そ、そうなの!」


「じゃあ、これからは陽向って呼ぶね」


「うん!……ひ、陽向……友達っぽい……」

 

 僕たちは楽しく和気あいあいと昼食の時間を過ごした。


「え……?なんか俺邪魔者みたいじゃん……」

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