第13話 リザードマン

カレスさんが帰ってから一週間が経った。相変わらず死体処理の毎日であるが、二体目のゴブリンキングの死体が運ばれてきた。結城は早速ホムンクルス化した。そして、人間の死体とリザードマンの死体が運ばれてくるようになった。とうとうそんなところにまでホムンクルス達の手が届き始めたかと感慨深くなっていると、ゴブリンキングのホムンクルスが魔石だけを取り除きリザードマンの死体を処理してしまった。

「あちゃ~。命令に魔石以外の素材を採取することつければよかったかな?」

結城は一人ごちたがこればっかりは仕方がないとあきらめた。素材をとることを命令したらゴブリンなんかの皮まではぎ取っている姿が目に見えたためだ。ホムンクルスよりも先に素材をとるしか方法はなかった。


そうやって素材と格闘していると、待機していた森鷹のホムンクルスが動き出した。その先を見ると鎧を着た人間が逃げていた。声をかけようとしたところでホムンクルスを手で払ってしまった。こうなると私にはどうすることもできない。その人は大量のホムンクルスにぼこぼこに殴られ息絶えてしまった。


「これはこの国の鎧だよ」

とデライトが言う。


「リザードマン討伐隊の生き残りかな?正体不明の者達がリザードマンの死体を運んでいるのを見て追跡していたとかがありそうな線かな」


なるほどと納得していたデライトとアリスであった。


そんなやり取りをした後にカレスさんがやってきた。たくさんの食料を積んだ荷車を持って。後ろにも荷車が見えることからどうやら他の人も連れてきたらしい。


「結城様、こんにちは。今日は前回頂いた素材の支払いに参りました。残念ながら魔石が入荷できなかったため、食品と塩のみですが大量にお持ちさせていただきました」


カレスさんが少し丁寧になっている気がしたが気にしないで受け取ることにした。

「ありがとうございます。では受け取らせていただきます」


「どうぞどうぞ。それで今回も素材を持ち帰らせていただきたいのですが、よろしいですか?」


「いいですよ。あっ。ちなみにリザードマンの素材ってどこが使えるのでしょうか?」


「鱗と牙です。鱗は鎧に、牙は矢などに加工されます、もしかしてリザードマンの素材をお持ちに?」


「ありますけどまだ剥ぎ取りができていません」


「手伝わせていただいてもよろしいですか?」


「どうぞ」


というやり取りがあり、リザードマンの死体はあっという間に処理してしまった。カレスさんもほくほく顔で素材を積んで帰っていった。


「あっ。魔物の情報聞くのを忘れた」

まあ次の時でいいかと開き直る結城であった。


その後も人の死体からは鎧などの装備を剥ぎ、魔物からは素材をはぎ取る三人であった。

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