第5話 食料
結城は家へ帰った後、今後のことを考えていた。食糧も残り少ない。かといって、他の街に行くには情報がなさすぎる。行動範囲はホムンクルスの行動範囲内にしたいがそもそもホムンクルスの行動範囲が分からない。結城はこの町のお爺さんを頼ることにした。あまりかかわるなとは言われているがこちらは命の危機なのだ。仕方がないだろう。手土産になるかはわからないが外にいた死人の道具をはぎ取っておいた。
次の日の朝、お爺さんの家へと向かう。ドアをノックするとお爺さんが出できた。
「お前さんか。あまりかかわりになるなと言っておいたんだがの。で、なに用じゃ?」
「おはようございます。実は食料が心もとなくて、お爺さんには商人の伝手があるのではないかと考えまして。できれば紹介してほしいなと」
そう答えると意外な返事が返ってきた。
「儂は一人分の食料を自給自足しとる。塩はこの町に来るときに買い込んだからいくらかあるが、最近はお前さんのおかげで肉を取りに森に行くこともできん。そろそろ儂もくたばるじゃろう。つまり商人の伝手はない。これでいいじゃろう。帰ってくれ」
そう言ってドアを閉めた。
結城は仕方がないのでゴブリンのホムンクルスが集めた死体の中に食べられるものがあることに期待しながら山に登った。山の頂上に到着すると大量のゴブリンの死体が転がっていた。スライムのホムンクルスの数を確認すると大量に減っていた。
スライム:400
ゴブリン:4
結城はお城でたしかダンジョンでスタンピートが頻発するようになるという話を思い出した。ここの町には兵士などがいなかったことから町の人も私も見捨てられたことに気が付いた。結城は泣きながらもスライムとゴブリンの魔石をホムンクルスに変え、死体をクイーンスライムで処理していく。すると死体の山の中に角の生えた兎の死体があった。結城はナイフで解体すると魔石を発見する。結城はその魔石でホムンクルスを生成し、私たちに危害を加えたものを殺すこと。食べられる野草を集めて持ってくること。を命令した。
兎を解体している間にホムンクルスが死体を運んできていた。町にあった死体もすでに運び終えている。その中に蝙蝠の死体も含まれていた。解体してみるとこちらにも魔石があった。ホムンクルスを生成すると身長80cm程で羽の生えた子供が生まれた。こちらには、私たちに危害を加えたものを殺すこと。渇いた枝をこの山の頂上付近まで運んでくること。を命令した。これでとりあえずは飢えをしのげるだろうと思った結城であった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます