第4話 新たなるしもべ

「ホムンクルスには命令を2つまで与えることができます」

結城はガッツポーズをとる。スライムの魔石で作ったホムンクルスは命令を変えることができなかった。そのためスライムの魔石以外を集めることができなかったのだ。結城はゴブリンの魔石のホムンクルスには私たちに危害を加えたものを殺すこと。死体をこの山の頂上付近まで運んでくることを命令した。その日は作り出したゴブリンのホムンクルスにゴブリンの死体をクイーンスライムのところまで運んでもらい、窪みの中に落とした。するとゴブリンの死体は一瞬で分解されてしまった。その光景を眺めた後、結城は山を下りて町に戻り一軒の家を拝借した。


その日の夜は人の死んだ場面がフラッシュバックして眠ることができなかった。そして朝を迎えると結城は寝床から這い出す。ほんの少し眠ることができたが結城はひどい顔をしていた。まあ、鏡などないので結城には気づきようがないことだったが。


結城が寝床に入っている最中にもホムンクルス達は魔石を運んできていた。一晩たった今では小さな山のようになっている。結城はこれをまとめてホムンクルス化できないかと想像しているとできてしまった。


スライム;821

ゴブリン:0


ホムンクルスの数を確認するとゴブリンが0となっていた。どこでやられたかが分からないので不安だったが他に選択肢がないため今日も山に登ることにした。クイーンスライムの窪みにたどり着くとゴブリンの死体がいくつか転がっていた。なかには人間の死体も混じっていたが。結城はゴブリンの死体から魔石を取り出しホムンクルスを生成し、死体を窪みに落としていく。昨晩眠れていないことと肉体的疲労が重なり一仕事終えた時には結城は眠っていた。


起きた時にはすでに夕日が傾いていたので急いで町に帰ることにする。集まったスライムの魔石をホムンクルスにしたあと山を下りた。町に戻るとそこには十名の人間の死体が転がっていた。



◇とある奴隷商人視点


最近とある犯罪者の町で大量の子供が現れたという話を耳にした。私は違法奴隷を商人であり、これは儲けのチャンスだと確信した。護衛を10人ほど雇いその町へと向かった。到着してみるとそこは人っ子一人すらいない町でデマをつかまされたと思ったがその時、一人の子供が目の前を通りすぎていく。

「おい、この町の住人はどうした?」


護衛が声をかけるも子供は無視して歩いていく。無視されたことに苛立った護衛は子供に切りかかろうとする。そこで奴隷商人から待ったがかかった。

「おい、そのガキを牢屋にぶち込め」


奴隷商人は少しでも損失を減らそうと必死だったため。子供を捕まえることにしたのだ。護衛が子供をとらえると、周りから子供が集まってきた。奴隷商人は喜んだが護衛は気味悪がっていた。子供の顔や背丈がみんな同じなのだ。それでも雇い主が言う通りに子供をとらえていったがいくらとらえても数が減らない。やがて護衛達は大勢の子供に囲まれ身動きが取れなくなる。ここで異常だと感じた奴隷商人は逃げだした。が誰一人として後を追うものはいなかった。そうして町には10人の護衛の死体のみが残った。

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