第3話 解放された人形は望む
真っ暗な闇の中。ただ…歩く。仲間はいない。果ての見えない闇。そんな中、突然晴れた視界。正確には違うけど。洞窟?の中から走り去る小さな背中。多分まだ7〜8歳くらい。もしかしたら長命種かも、一緒思うけどすぐに違うと分かる。なぜか?ボクが全知全能だからさ!え?冗談だろ?冗談では無いんだな、これが。だけど…どうやらボクらはかなり長い間封印されていたらしい。そうか…今の文明はかなり退化したらしい。帝国は未だあるがかなり衰退して小さくなった…と。ボクらの存在はユメモノガタリもしくは伝説…。ふむふむ。随分変わったみたいだね…。これは…どう行動しようかなぁ………?とりあえず確認するかな。
「皆、いるかな?」「はい、リーダー。」「よし!点呼!」「「「「はっ!」」」」「一」「ニ」「三」「四」「五」「ろく」「なな」「八」「くぅ!」「十」「十一」「十二」「じゅ〜さん!」「十四番」
「十五番」「十六」「十七や!」「十八条」「なぜ…条?あ、十九であります!」
「二十」「にじゅういっち!」「二十二」「ラストぉ!二十三!」
「おけ!全二十三確認!個体の損失!無し!皆いるね!」総勢23体の魔導人形。ボクの部隊だ。ボクがこの世界に生をうけ、そして死に、作られた。そんなボクの部下達。ボクと同じ、だが…少し違う運命を辿ってしまった者達。彼らが受けたのは改造だろう。ボクもそうだ。だけど…良かった。ボクは…なにもないよりはマシだから。仲間たちはボクについてきてくれている。それだけで…ボクは一人ではないと分かるから。
魔導人形達は楽しみ暮らす〜魔導人形は数百年後復習を果たします〜 緋織 @Finnriro
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