第2話 転生者は封印の解放を

とある森の奥の村。特段特別なことなどない平凡な村。そこに住む少年は幼馴染の少女と友にこの平凡な村で唯一おかしなこと…立ち入りが禁じられた洞窟の前に立つ。少女が少年を諭そうと声をあげた。

「ね…ねぇ…シャロ。か…帰ろうよ…ここはお母さん達がきちゃだめって言ってたよ?」震える声音で言う少女に少年…シャロは紡ぐ「問題無いさ。大人達はここがなんで来ちゃだめなのかも知らなかったよ?ただ昔から立ち入るなって言う伝説を信じてるだけ。」

シャロは全く、変わらない口調で軽く言う。シャロはこうゆうたぐいの伝説や伝承を迷信だと断じていた。なぜ?それは彼が…転生者だから。彼は少女…クレアに言う。

「さ…早く行こうよ。大人達の目を覚まさせてやる。伝説なんか迷信なんだってさ。」

シャロはただ…この剣と魔法の世界で浮かれた少年だ。彼らは自分達が封じられた兵器達を解放してしまうなど想像もしていなかったのだ。


小さな祠、その後ろの洞窟、彼らはそこへ足を踏み入れる。少し奥に入ったその場所で彼らの足は止まった。そこにあっったのは……精巧に作られた人形。胸元には何かしらの石がはめ込まれている。そんな人形が20ほど並んでいる。色彩や姿形、顔まで、全て違っている。「な…なんだ?これ…?」シャロが思わず呟いた。クレアはシャロに言う。

「だ…だから、止めたんだよぉ!こんな不気味なのがあるなんてっ!」涙声のその言葉にシャロは返す。いや、自分に言い聞かせるようにも聞こえた。

「い…いや…ただかなり精巧に作られた人形が並んでるってだけだ。不気味でもなんでもないさ……。クレア、帰ろうか。」

「う…は…早く帰ろうよ……。」

小走りで手口に行くクレア。「あっ」

「っ!クレア!大丈夫?」

「う…うん、あれ?」

「どうしたんだ…?ん…?これは…?」

躓いたクレアに駆け寄ったシャロ。そこで観たのは切れた糸。クレアが引っかかったのはこれにだろう。少し困惑したが彼らはすぐに村に帰っていった。

洞窟の中、光り始める魔石には気づかずに。

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