第3話 小学四年生(僕)

 僕と千鶴は四年生で再び同じクラスになった。

「何だよこれ」僕


「開けてみよろ!誕生日プレゼントだ!」

竜ちゃん、健ちゃん


「え?! ありがとう。なんだこれ?鉛筆?ありがと……なんで余計なことしてんだよ!おまえらは……」


 その鉛筆には千鶴の名前が金文字で刻印されていた。


「大事に使えよ!」竜ちゃん、健ちゃん


 僕はふたりを睨んでやった。


 一年生の頃の千鶴との仲良しぶりは四年生

になっても消えていなかった。僕は別の子に初恋をしていたのに……


 千鶴は学級委員になることもなかった。

メガネを掛け、少し太っていて、可愛らしさもなくなっていた。それに六年生くらいになるとニキビが出来てしまった。かわいそうだった。


 それでも千鶴に話し掛けることも、話し掛けられることもなかった。小学一年生の頃がなぜあんなに楽しかったのだろうと思いつつも自分の初恋に夢中だった。繰り返すようだが今から思えばあれが初恋だったのだろうと思うだけだ。しかし千鶴ではないことは確かだ。


 初恋は初めて恋するのだから……好きでは不充分ではないかと思われた……だから好きと初恋を区別している。










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