第2話 小学一年生(私)

 小学一年生2学期の学級委員は投票で徹君と私が選ばれた。徹君と一緒でうれしかった。だって好きなんだもん。


 青木先生のご指導もありクラスはよくまとまっていた。徹君はとにかく愉快で勉強もスポーツもよく出来た。(本当は中の上くらい、愛は盲目!)そんな徹君を私は好きだった。初恋?わからない!好きなもの好きだった。


 徹君は仲良くしてくれた。いつも。授業中もお話しばかりしていた。

 徹君が鉛筆の上の部分をかじるクセがあって青木先生に相談したら、ぜんぶ赤ペンで塗られてしまった。この時は徹君ちょっと怒ってたかな(笑)でもすぐ仲直りできた。



 ただし私が好きだという手紙を机の引き出しに入れるまでの話だ。


 態度は一変した。口をきかなくなった。大人になったいまから考えれば徹君はまだまだ子供だったのだろう。恥ずかしかったのだろうと思う。友達と好きな人の区分がわからない、この気恥ずかしを説明するすべをしらない。私のことをどうのこうのの前にくる感情に戸惑っていたのだろう。


 私は好きだと告白をしたことを後悔していない。


 しかし、好きだという気持ちは宙ぶらりんのまま中学卒業まで続いていく。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る