涙のち恋【女の子はみんなきれいになる】

嶋 徹

第1話 小学一年生(僕)

 車の中からコンビニ裏が空き地になっている草むらを見ていた。紋白蝶が二匹、仲むつまじく、ダンスしているようにいつまでも飛んでいた。


 実家の建て替えで、古い荷物が出てきたから取りに来いとの兄の連絡を受け取りに行ってきた。小学生の頃の絵画や作文、アルバムもあった。アルバムが気になったのでコンビニに車を止めてアルバムを眺めた。


「やはりそうか!なぜなんだろう?」


 アルバムに綴じられた小学生の頃の写真はすべてレンズを見ていたかった。すべて斜に構えていた。反抗期とかならわかる。小学1年生から自我に目指めていたとしか思えなかった。これは今後の僕の人生を大きく左右することになる。


「なぜ?普通に写れなかったのだろう?……なぜ?……人並みの人生を歩めなかったのだろうか?なぜ……」




 僕の初恋は小学4年生だと思う。身長が高くて足が早い子だった。勿論、成就することなく別の子を中学3年間、高校3年間好きだった。


 そして千鶴を好きになったことはないと思う。でもどうして、僕の人生に今、千鶴がでてきたのか……もう何十年も会ったことないのに……


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