第23話:交差
グレイス「かわいらしい子でしたね、何を話ていたんですか?」
リズ「ん?あぁ・・・知りたい?」
グレイス「一応」
リズ「あの子は魔法を使えました、でも、もう2度と魔法は使わないから普通の人です。かな」
グレイス「そのままですね」
リズ「まぁ、信じるならね」
グレイス「時間を進める魔法ですか・・・」
リズ「あなたには関係ないか」
グレイス「あの子の歳はいくつなんでしょうね?」
リズ「見た目は15,6歳くらいに見えたかな・・・彼女の時間が止まっているとしたら」
グレイス「わからないですね」
リズ「たしかに、そんな魔法は使いたくないかもね・・・」
グレイス「この仕事はこれで終わりですか?」
リズ「そうだね、これ以上調べる必要はないかな・・・」
グレイス「そうですか」
---
ルイーズ「なんか違った気がする」
ネル「どうかした?」
夕食を食べながら
ルイーズ「この前来た子たち・・・ゴーレムと一緒に来た」
ネル「あぁ・・・いたね」
ルイーズ「ちょっと前にネットで占ってあげた子がいたんだけどね」
ネル「へぇ・・・それで?」
ルイーズ「その子たちの「出会い」と「待ち人」のタイミングが一緒だったからもしかしたらと思ってたんだけど」
ネル「違った?」
ルイーズ「たぶん」
ネル「あなたの占いって、どこまで見えてるの?」
ルイーズ「・・・聞かないほうがいいと思う」
---
アンジェラ「それで?」
ヴィンセント「無能力者だった」
アンジェラ「そう、ありがとう、そういえば物を宙に浮かせる魔法があるけど興味ある?」
ヴィンセント「それは・・・どの規模で?」
アンジェラ「紙に円を描いてその中で浮かせるだけ」
ヴィンセント「ならその紙をホウキに貼って呪文を唱えたら飛べるかもな」
アンジェラ「・・・なるほど、気が向いたらやってみる」
ヴィンセント「どうせやらないと思うけど、気を付けて」
アンジェラ「そうね、ありがとう。それじゃあ、また。」
ヴィンセント「あぁ、また。」
電話を切る
ジュリエッタ「ありがとう」
ヴィンセント「君が魔法使いだとしても、もう使えないなら、誰も得しないだろ?」
ジュリエッタ「そうね、使えないなら」
ヴィンセント「もう遅いな、食事はどうする?」
ジュリエッタ「なんでもよければ作るけど」
ヴィンセント「あぁ、頼むよ」
ジュリエッタ「ビールでいい?飲みながら待ってて」
ヴィンセント「お前・・・飲める歳なの?」
ジュリエッタ「さぁ?どうでしょう」
冷蔵庫の中を片付けているようだった
部屋を眺める
物が極端に少ない気がした
処分したのか、元々物を置かないタイプか・・・
パスタとスープ、肉を焼いた皿が並ぶ
ジュリエッタ「味は薄いかも」
ヴィンセント「いただきます」
ジュリエッタ「おいしそうにたべるのね」
ヴィンセント「おいしよ」
ジュリエッタ「これが?いつも何たべてるの?」
ヴィンセント「適当に」
ジュリエッタ「そう・・・今日はここにとまってくれる?明日の朝出ましょう?」
ヴィンセント「君はどこに行きたいの?」
ジュリエッタ「考え中、あなたは?」
ヴィンセント「一度、部屋に戻る」
ジュリエッタ「そう、一緒に行く」
ヴィンセント「・・・なんで俺と来るの?」
ジュリエッタ「あなたがたが来たってことは、いろいろと情報が回ってるでしょう?」
ヴィンセント「・・・たぶんね」
ジュリエッタ「すこしの間ここにはいれないし・・・なんとなく外の世界も見てみたい」
ヴィンセント「おれに案内しろと?」
ジュリエッタ「それはいい提案だね」
ヴィンセント「提案はしていない」
ジュリエッタ「そう、ソファーで寝てもらっていいかな?」
ヴィンセント「ん?」
ジュリエッタ「いやなら、一緒にベッドでもいいけど」
ヴィンセント「・・・やめとく」
ジュリエッタ「そう」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます