第22話:待ち人来たらず
あの占いに従うとこいつと旅に出るのか?
まぁ、少し
そんなことを考えていたら銃を奪われた
ジュリエッタ「あ」
ヴィンセント「わるいな」
そういいながら銃を向ける
ジュ「まぁいいわ、それ弾入ってないし」
ヴィ「だろうね」
マガジンを抜く
ジュ「それさ」
一歩下がって小型の銃を抜く
ヴィンセントと名乗った男も同じ動きを取る
ジュ「大きくてトリガーに指がとどかない」
ヴィ「なるほど」
ジュ「お客さんは小型の銃を出してもひるんでくれないんだよね」
ヴィ「それは・・・そうなの?」
ジュ「お茶を入れるから銃を下ろさない?」
ヴィ「・・・そうしてもらおうかな」
ジュ「私の話は他のお客さんが来たら一緒に・・・で、いい?」
ヴィ「わかった」
見た目は・・・普通かな、人はよさそうかな・・・
こいつと旅に出てもな・・・
ジュ「コーヒーと紅茶はどっちがいい?」
ヴィ「コーヒーで・・・毒とかはいらない」
ジュ「・・・」
こうして2件も訪問があると1ヵ月くらいは身を隠した方が無難かな・・・
コーヒーをテーブルに置く
ジュ「で、引き受けてくれる?」
ヴィ「ん?あぁ・・・仕事の依頼は本気だったのか?」
ジュ「うん」
ヴィ「君の説明次第かな・・・」
ジュ「信じてくれる?」
ヴィ「・・・聞いてからでいいか?」
ジュ「・・・遅いな・・・」
ヴィ「・・・」
ドアをノックする音が聞こえた
ジュ「やっと来た」
テーブルの上にあった銃にマガジンを指して玄関に向かう
遅れたことに謝罪しているらしい
ヴィ(あまり同業者に会いたくはないが・・・)
ジュリエッタが2人の女性を連れてテーブルに座る
リズ「そちらの方は」
ジュ「ボディーガード・・・かな」
ヴィ「・・・」
リズ「すいません、遅くなってしまって・・・時間も遅いので手短に、それで」
ジュ「残念だけど、あなた方の期待してる魔法使いではない、といえばいいかな」
リズ「そうですか」
ジュ「正確にはもう使えないしあなたがたが思っているような魔法ではない」
リズ「ケガや病気を治す魔法ではないんですね」
ジュ「そんな都合のいいことはできないと思わない?」
リズ「それはそう・・・ですね」
ジュ「話はこれで終わり」
リズ「・・・はい」
ジュ「コーヒー飲む」
リズ「・・・いただきます」
コーヒーをテーブルに並べる
ジュ「そうだ、たとえばなんだけど。」
リズ「?」
ジュ「時間を進めることができる魔法があるとする」
ケガや傷は時間がたてばふさがって自己治癒していく
大きな損傷や欠損のあるケガや傷は血や肉がなくなった分は補う物がなければ治しようがない
病気の場合は時間が進めばよくなるか悪くなるか
運が悪ければそのまま病気が進行して死ぬケースもある
そしてその時間の代償は魔法を使った人間の時間だとしたら
時間が「減る」のか「止まる」のか「遅くなる」のか・・・どれにしても得はない
ジュ「だとしたら、あなたは誰かのためにその魔法を使おうと思う?」
リズ「・・・それは」
ジュ「あくまでもたとえばの話」
リズ「・・・」
ジュ「使えたとしても、使わなければ、魔法が使えないのと同じだと思わない?天才はバカのふりができても、バカは天才のふりはできないような感じで」
リズ「・・・」
ジュ「ほかに何か?」
リズ「いえ、ありがとうございました。」
ジュ「はい、それじゃあ」
2人はそれで帰っていった
ヴィ「それじゃ俺も」
ジュ「待って、まだ出かける準備ができてないから」
ヴィ「は?なにを言ってる?」
ジュ「仕事の依頼を受けるんでしょう?これからよろしくね」
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