第24話:交換条件
シャワーの音
目が覚める
知らない天井
寝心地が悪い
ソファーの上・・・どこだっけ?
あぁ、なんで言われるがままに泊まったのか・・・
財布と銃を確認する
不用心か・・・
あの女はどういう神経してんだ?
初対面の男を自分の部屋に止めて
何かされた形跡はない
ただのお人よしか・・・
ジュリエッタ「おはよう」
タオルで長い髪を巻いて彼女が出てくる
振り向いて確認する
タンクトップとパンツで歩いてる
ヴィンセント「おはよう」
ジュ「支度するから・・・シャワー浴びる?」
ヴィ「・・・あぁ」
車に荷物を取りに行く
シャワーを浴びている間に朝食をよういされた
ジュ「ほんとに何もしてこなかったね」
ヴィ「・・・誘ってるのか?」
ジュ「言ってみただけ」
ヴィ「君、歳は?」
ジュ「・・・秘密」
ヴィ「子供にしか見えないんだが・・・」
ジュ「昨日の話は聞いてた?」
ヴィ「・・・まぁ」
ジュ「それで納得して」
ヴィ「・・・」
食事が終わって片付けをしている
電気とガスを切って部屋に鍵をかける
ジュ「つぎはいつも戻ってくるかな・・・」
ヴィ「そんなに長く開けるつもりなのか?」
ジュ「さぁ」
ヴィ「家賃とかもったいないだろ?」
ジュ「この部屋は買ってあるから問題ない」
ヴィ「そうなのか」
車に荷物を積んで走りだす
ジュ「別に一人で生きていく分にはお金には困らない」
ヴィ「・・・ならどうして」
ジュ「終わりが見えないから、あきた」
ヴィ「なるほど」
ジュ「暇つぶしの相手に選ばれたと思ってあきらめて」
ヴィ「・・・」
ジュ「断らなかったでしょ、あなた」
ヴィ「・・・」
そういえば、なんで断らなかったのだろう?
ヴィ「・・・まぁ、ね・・・」
ジュ「いまさらだけど、あなたって魔法を信じてる?」
ヴィ「まぁ、一応は」
ジュ「なら、まぁ」
ヴィ「偽物が多くてうんざりしてる」
ジュ「ウソをついて得することがなるのかな?」
ヴィ「さぁ」
車を返却して電車に乗る
もう日が沈み始めていた
隣のシートに並んで座る
ジュ「すいてるね」
ヴィ「国境を超える電車に乗るやつは少ないだろ」
ジュ「そうなんだ」
ヴィ「よその国に観光に行くやつはまれだよ」
ジュ「そうかもね」
窓の外を見ながら
ヴィ「どこをみても殺風景だからな」
ジュ「・・・」
ヴィ「どこか行きたいところは?」
ジュ「考え中・・・ねぇ、聞いてもいい?」
ヴィ「・・・暇だからどうぞ」
ジュ「なんで、あなたこんな仕事してるの?」
ヴィ「それか・・・」
ジュ「訳アリ?」
ヴィ「ん?あ・・・昔人探しを手伝ったんだが、それがそのまま」
ジュ「そう、その人は見つかった?」
ヴィ「それが未だに見つかっていない」
ジュ「そうなんだ」
ヴィ「自分の探し物もあってね・・・仕事はそのついで」
ジュ「・・・それは聞いてもいいの?」
ヴィ「・・・今はやめておく」
ジュ「そう」
会話をしていると年齢はわからない気がした
ジュ「その探し物、手伝ってあげるっていったら?」
ヴィ「・・・考えとく」
やっぱり子供か
ヴィ「手伝うって?何を」
ジュ「私を旅に連れて行く報酬があなたの行動資金になる」
ヴィ「なるほど」
ジュ「悪くはない話しでしょう?」
ヴィ「かもね」
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