第15話:鏡の中
電車で移動しながら
ノーラ「例えばだけどね」
アンジェラ「ん?」
ノーラ「逆に回転する時計」
アンジェラ「あぁ、あれね」
ノーラ「鏡の中の世界から持ち出したとしたら?」
アンジェラ「・・・なるほど」
ノーラ「あの部屋には大きな鏡がおいてあった気がする」
アンジェラ「どうする?」
ノーラ「え?」
アンジェラ「確認しに戻る?」
ノーラ「行かない」
アンジェラ「だよね」
ノーラ「鏡の中の世界に入りたいとは思わないな・・・」
アンジェラ「たしかにね・・・鏡が割れると戻ってこれないとか?」
ノーラ「そうなの?」
アンジェラ「知らない」
ノーラ「あっそ・・・それで次は?」
アンジェラ「次は・・・無い」
ノーラ「え?」
アンジェラ「まともそうな依頼がないから休憩・・・休暇かな」
ノーラ「そうなんだ」
アンジェラ「隣の街で観光でもしようかと思って」
ノーラ「何かあるの?」
アンジェラ「世界遺産だった観光地の跡地」
ノーラ「それは・・・」
アンジェラ「崩壊して自然に戻りつつあるからガレキの楽園になってるらしい」
ノーラ「だろうね」
アンジェラ「まぁ付き合って」
ノーラ「・・・よろこんで」
街に着く
駅の周りは普通に街だった
ホテルの部屋をとって荷物を置く
ノーラ「あなたの荷物ってそのスーツケース1つだけ?」
アンジェラ「ん・・・そうだね・・・ちょっとした荷物は昔いたところの貸し倉庫に入れてきたけど・・・荷物はこれだけかな」
ノーラ「そうなんだ」
アンジェラ「スーツケース1つに収まる人生」
ノーラ「その方が身軽でいいかもね」
アンジェラ「どこでもなんでも買えるから必要なものなんて限られてくるかな・・・」
ノーラ「思い出とかは」
アンジェラ「残念ながら記憶がない・・・というかいらない・・・かな」
ノーラ「いさぎよいね」
アンジェラ「そう?」
ノーラ「なんとなく」
アンジェラ「今日は街を見て歩こうか?ガレキの楽園は明日でいい?」
ノーラ「まかせる」
街を眺めながら散歩する
たぶんいろんな人種が混ざって生活している
みんなマスクをしているから顔はよくわからないけど
アンジェラ「ちょっと寄り道」
古い本やに入っていく
ノーラ「好きだね」
アンジェラ「そうだね・・・」
ノーラ「買っても読んですぐにすてるよね」
アンジェラ「覚えるからね・・・1度読めば十分かな」
ノーラ「なのに記憶喪失なんだね」
アンジェラ「なんだよね・・・」
ノーラ「てきとうに見てるね」
アンジェラ「うん」
店の中を見て回る
童話の本がおいてある
魔女の話だろううか手に取って本を開く
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