第14話:考えてもわからないこと

ノーラが銃を抜く


アンジェラ「そんな物騒な・・・」


ノーラ「相手は男?女?」


アンジェラ「あ・・・」


部屋に入ると木製の家具が並んでいてきれいに整理されている


生活感がない


ノーラ「なんかへんだな」


アンジェラ「きれいな部屋だね」


ノーラ「物があるのに人が生活してた感じが残ってない」


アンジェラ「そだね・・・本とか怪しいものが多いね」


ノーラ「やっぱり旅行に出かけた・・・のかな」


アンジェラ「別の世界へ?」


本棚の本のタイトルを見ながら


ノーラ「・・・かもね・・・なんで鍵が開いていたか?」


アンジェラ「同業者が先に来たのかも」


ノーラ「空き巣みたいなことするの?」


アンジェラ「そういう人もいるね・・・私はしないけど」


ノーラ「その同業者には関わりたくないな・・・」


アンジェラ「同じく」


ノーラ「荷物で住んでた人が特定できそうなものもない・・・か」


アンジェラ「そう・・・」


ノーラ「どうかした?」


アンジェラ「・・・いや・・・なにこれ」


アンジェラの目線を追う


壁に掛かった時計に釘付けにされている


ノーラ「何これ」


時計が逆に回っている


アンジェラ「ね」


ノーラ「ねって・・・」


アンジェラ「いい趣味してるね」


ノーラ「時間がわからん」


アンジェラ「何か意味があるのかな?」


ノーラ「意味があったら怖いんだけれど・・・」


アンジェラ「だよね・・・行こうか?」


ノーラ「うん」


ゆっくり外にでる


アンジェラ「時間の悪魔でも召喚したか?」


ノーラ「何それ?」


アンジェラ「ラプラスの魔とかなんかなかったすべてを把握するとか」


ノーラ「知らない」


アンジェラ「そう、あれは未来予測かなんかか・・・」


ノーラ「意外と物知りね」


アンジェラ「まあね・・・でも時計が逆に回ると過去か」


ノーラ「で」


アンジェラ「これで終わりにしよう」


ノーラ「いいんだ」


アンジェラ「ここまでオカルトチックだと何かあっても対処できないから」


ノーラ「・・・確かに」


アンジェラ「本物には本物があいてすればいいよね」


ノーラ「・・・あなたってなに?」


アンジェラ「さぁ・・・探偵みたいな感じ?」


ノーラ「なんとなく納得した」


アンジェラ「それはよかった、今日のはそのまま報告しておこう」


ノーラ「まぁ、本人不在ではしようがないね」


アンジェラ「どこに行ったと思う?」


ノーラ「近くに別の家があったりして」


アンジェラ「え・・・」


ノーラ「時計もただの逆回転する時計で・・・」


アンジェラ「え・・・ほかの人がそれを報告するとカッコ悪すぎる」


ノーラ「だね」


アンジェラ「・・・明日もう一度訪ねてみるか・・・」


ノーラ「・・・ははは」


アンジェラ「一緒に来るよね?」


ノーラ「今日の夕食は君のおごりかな?」


アンジェラ「しょうがない」


ノーラ「また明日もいなかったら?」


アンジェラ「何もなかったと報告するよ」


ノーラ「それがいいかもね・・・」


次の日、結局何もなかった。


時計は多分逆回転の時計だろうということにした。


本棚にあった何冊かの本をアンジェラが真剣に読んでいた。


この部屋の住人はどこに行ったのかは謎のまま。


この街を後にした。

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