　この日のテーブルはとんでもなく良かった。弱いプレイヤーがたくさんいる。俺の左に2人、右にも２人。これだけフィッシュ（カモ）で溢れていると、分散は大きくなるが大きく勝つことが出来る。

　開始して１時間後。ハンドにA♡A♦が来た。いつもはリンプイン（コールで入る）する右のプレイヤーがオープンレイズ（レイズで入る）してくる。おそらく、強いハンドがあるのだろう。最高の状況である。

　少し大きめに80へリレイズ（3Bet）を仕掛ける。すると、今度は左のプレイヤーが250へ更にリレイズ（4Bet）をしてきた。こいつも強いハンドを持っているのだろう。普段はリレイズなんてしないプレイヤーだ。

　他のプレイヤーは全員フォールドして、右のプレイヤーが600のオールインをしてきた。もう一度言うが、最高の状況である。俺のハンドはナッツ（最強のハンド）だ。俺も1,000ドルのオールインをする。すると、左のプレイヤーもオールイン。

　これでAA（ナッツ）を持ったまま、3人のオールインをすることが出来た。彼らのハンドはKKとQQ。俺の勝率は約60％である。

　逆転されることもなく、俺のAAは逃げ切ることが出来た。これで1,500ドルのプラスだ。

　さらに1時間後。今度はQ♠Q♦が来た。俺のポジションはSB（スモールブラインド）で、ショートスタック（チップの少ない）のプレイヤーだけが50へレイズをしている。

　ここは強いハンドを正直にプレイしていく。150へリレイズ（3Bet）だ。すると相手は260のオールインを返してくる。スナップ（すぐに）コールすると相手のハンドはA♦4♦。ショートスタックにありがちなミスプレイである。本来ならばそんなハンドでオールインするべきではないのだ。

　ボードにAは落ちず、これも勝ち。調子が良い。

　そして、次のハンド。今度もQ♡Q♠が来た（Queens again! ）。このハンドではオールインまで行かずに200程度の稼ぎで終わった。それでも運が良い日だ。

　今度は、K♦Q♦で50のアイソレート（孤立化）レイズをSB（スモールブラインド）からコールする。リンプイン（コールで入った）したプレイヤーもコールして3人ポット。

フロップ：8♦6♦4♡

　フラッシュドローが出来た。全員がチェックする。おそらく、誰もペアを持っていないのだろう。かなり有利な状況である。

ターン：3♠

　おそらく、このカードも誰にもヒットしていないはずだ。ここは100のブラフを打つ。全員がすぐにフォールドして、ポットを獲得。ブラフもうまく機能している。勘も冴えている様だ。

　数ハンド後、BB（ビッグブラインド）からK♡J♦で20のレイズをコールする。4人ポットだ。

フロップ：K♦Q♠3♣

　トップペアがヒットした。しかし、全員がチェック。おそらく、誰もKを持っていないだろう。

ターン：8♦

　あまり関係のないカードが落ちた。フラッシュドローがボードに追加されているが、そこまで問題ではないだろう。ここはあえてチェックして、スロープレイをする（罠を仕掛ける）。

　BTN（ボタン）のプレイヤーが65のベットをしてくる。こいつは強めのプレイヤー（レギュラー）だ。韓国人でおそらくポーカーで稼ぐために渡米している。このタイプのプレイヤーは、しっかりブラフを入れて打ってくることが多い。この状況はブラフが怪しいように思える。ここで仮にレイズしてしまうと、相手はほとんどのハンドを降りてしまうので、ここは作戦を継続してコールする。

　他のプレイヤーは全員フォールドした。

リバー：5♡

　さて、関係のないカードが落ちた。ここでチェックすれば、BTNはもう一度ブラフを打ってくるだろう。予想通り、チェックすると相手は150のベットを打ってきた。少し考えてからコールする。相手は"You win"と言って、ハンドをマックした（捨てた）。

　この日は快勝だった。4時間弱プレイして、2,065ドルの勝ち。これまでの負けを完全に取り戻したのだ。

　さあ、反撃開始だ。