ポーカー漬けの日々
それからはポーカーに溺れるような日々が続く。これこそが俺の求めていた生活だ。
夕方に目が覚める。毎日だ。夕方から深夜までプレイしているのだから、生活リズムが狂っている。真人間は程遠い。昼夜逆転生活とポーカーは親友のようだ。
シャワーを浴び、近くのメキシコ料理店でタコスを食べる。徒歩1分圏内にあるその店では、ボリュームのあるタコスを6ドル程度で食べられる。食べ終えるとカジノへ向かう。徒歩30分。
カジノでは、すぐテーブルに着けることは稀だ。
ポーカールームへ行き
ちなみに、アプリからもウェイティングリストに入ることが出来る。しかし、予約には電話番号が必要であり、俺の場合は
大体30分ほど待つと館内放送で呼ばれ、席に着くことが出来る。テーブルで紙幣をチップに変えてもらいスタートだ。
いつも俺は1,000ドルを持って入る。200
そしてプレイを始める。深夜、集中力が落ちてくるまで、ひたすらにプレイを続ける。勝っても負けても集中できている内はやめることはない。コンディション次第では朝までプレイすることだってある。
プレイを始めると
スタックは変化する。それはゲームの特性だ。そして持っているスタック量でプレイは変化していく。だから自分がどれだけ持っているのか、また相手はどれだけ持っているのかということは常に認識しておかなければならない。
しかし、スタックが減ったから(或いは増えたから)といって、感情を変化させてはいけない。感情の変化はプレイへ影響してしまう。プレイが下手になれば、それだけ多くのチップを失ってしまう。感情の変化は、敗北に繋がるのだ。
2時間ほどプレイして、今のスタックは850ドル。テーブルにはプロらしきプレイヤーが2人と下手なプレイヤーが5人。そのうち2人はどんなハンドでもプレイしてしまうような
手札にQ♣J♣が来る。レイズすると3人がコールして参加してきた。ポットには60ドル弱ある。
フロップ:Q♡5♡3♠
トップペアが出来た。30ベットを打ち2人がコール。2人とも弱いプレイヤーなので、5とか88とかフラッシュドローなんかを持っていそうだ。
ターン:5♣
50ベットしたら2人ともコール。5を持っているプレイヤーが
リバー:T♦
チェックで回ってきたが、ここはベットを控える。
ここは安全にショーダウンして、勝ち。これで約200ドルの利益だ。原点回帰しただけだが、弱いプレイヤー達に囲まれているので、まだまだ勝つことが出来そうである。
そんな感じで勝ったり負けたりを繰り返す。ただ、負け額よりも勝ち額が少しだけ多く、ちょっとずつスタックは増えていく。2時間後にはスタックは1400まで増えていた。
そしてやって来たのは待望のAA。俺にとって一番のお気に入りハンドで、最も不幸を運んでくる死神だ。しかし、AAは説明するまでもなく、このゲームにおける最強のハンドである。
ポジションは
最高だ。思わず喝采を挙げたくなるが、我慢する。毎日通うカジノでプレイヤーに恨まれてはやっていけない。
AAの勝率は平均して約85%。相性の悪い手とも80%近くの勝率がある。そして、ボードがすべて開かれる。(オールインがあった場合、その後のアクションはなくなるので、
ボード:9♡7♡2♦3♦J♡
ハンドのAAを開く。おそらく勝っているだろう。相手のハンド内、こちらに勝っていそうなのはJJとA♡K♡だけだ。
しかし、こちらのAAを見た相手は、中央に出していたスタックを全て手元に戻してしまった。まさか負けたか、と思い「You have JJ? 」と聞くと、相手はにやりと笑ってからAAを見せた。
どうやら同じ手札だったらしい。ふざけた演出だ、本気で驚いた。ポットを半分に分けて、このハンドは終了。最初にレイズしたプレイヤーがいたので、彼の出した15ドルの半分だけ儲けた。
その後は大きな勝負も起こらず、疲れたので終了。もう時間は午前3時だ。7時間ほどプレイしたことになる。収支は300ドル勝ち。
この調子でプレイしていけば良い。初日の負けを取り戻したいが、焦りは禁物だ。このポーカールームの特徴も掴めてきたので、もっと勝てるはずである。ゆっくり、確実に勝ちを重ねて行くのだ。
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