第1章 その2
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TOYOSU―SYO――と正面玄関の庇に表示された警察署のビル。その外観は近代化した五階建てのビル。建物前には外来用駐車スペースが20台分……建物東西両脇に一方通行の車両通路――東側が『関係者車両入口』表示で、西側が『関係者車両出口』だ。
その屋上――襟足長めヘアで、ブラウン革ジャン、ブラックジーンズに黒のハイカットスニーカーの後ろ姿……が、スカッとした逆光に包まれた手摺に向かって歩んでいく……その前方に東京湾オーシャンビュー。外界に豊洲市場の建物屋根が目深にあって……船舶が行き交う東京湾の景観に『10晴海線・豊洲IC』から道筋の首都高速道路向こうにレインボーブリッジ。対岸に、東京タワーと近隣のタワービルの街並み。
タワービル最上階のリビングで、眼鏡をかけてガウンを羽織った中高年男の近藤孝道、五十五歳がソファに座って、テーブルに置いてあるノートパソコンを使っている。
ノートパソコン画面の片隅の時刻表示は07:44!
近藤孝道(以後、近藤)が眼鏡をはずして、目頭を右の指で摘まむ。捲れたガウンの袖から見える手首の弾痕の古傷!
ダイニングとカウンターキッチンの所謂今時お写楽なⅬDKフロアで。壁掛け大型テレビ。窓の外にベランダ。
苦笑するかのようなクスリ笑いを一瞬漏らした近藤が、おもむろに立ち上がって……ベランダへと出て行く。
テーブルに置かれたまだ飲みかけのコーヒーの入ったカップと、その横のノートパソコン。画面には『申立サイト・黒板』のチャット掲示板に……利用者の書き込みが羅列されている……。
――キンタカマスターへ。俺、近日、実行する。キリタク――
――安月給で重労働。目の前には高級魚が、凍ったドル箱状態。パクっちゃうぜ! だが、どう人目を避けて運べば? ぱっくりマン――
――ぱっくりマンはそれやっちゃうの? 世直しアラサー女子……――
――必須の苦手お稽古訓練、朝っぱらから……嫌だけど(顔にバツのスタンプ)仕方がないので早朝出勤で実施しま~す(涙目で欠伸する眠い顔のスタンプ) ⅯIK――
――ⅯIKへ。ま、がんばれ! REDⅯATTER――
と、気ままな利用者のメッセージが以後も羅列し続けている……参加者数53万人。
眺める外界に、東京湾のオーシャンビュー。対岸に豊洲市場界隈と、ICの首都高の道筋。豊洲署のビルもかすむ……。左手には銀座の街並みも……臨めている。
ベランダで、手を伸ばし伸びをする近藤。
景観を眺める近藤の右側から太陽光――正面に煌めく海面の湾。
「なあ、勇作。息苦しいだろ、生真面目が故の世知辛さって」とぼやく近藤……。
右手首の古傷を翳し見る近藤の視界に――対岸に、うすら見える周囲の街並みに馴染んだ豊洲署ビルの輪郭……。
TOYOSU―SYO――屋上で、沖勇作が煙草をくわえて、ジッポライターで火をつける。
ポワッと円い煙を口から出す沖勇作。
ブラウン革ジャンの左ポケットから携帯用灰皿を出し……吸い込んで出来た灰を携帯灰皿に捨てる……両肘をついた手摺の向こうにぼんやりと視界に入っている……豊洲市場。
朝の魚市場――セリの盛んな声は、指と隠語で素人には何のことやら状態だが、昨今はデジタル表示もあるので何となくは見当もつく。まあ、想像力っていう能力が若干必要かもだが……。
手作業やターレ(運ぶ車)を動かす作業員が蠢いている出荷エリアのフロアで、作業着、帽子、手袋をしたぱっくりマンこと――内海(二十五歳、男)がターレを片隅に停車して、スマホを使っている。
木箱に詰まった冷凍マグロ5匹に、オートメーションで蓋がつけられたことを黙認したチーフ(上司)から指示がでる。
「おい、内海。このマグロTOCHIGI2022529に運んでおけ」
「はあ、チーフ!」
「空箱も、引き取れよ」
「はあい」と、スマホをポケットに仕舞う内海。
「なんだ、やる気ないのか、ウチ」
「いいえ、です。チーフ。ただ20万の……」声を潜めて「安月給の派遣の僕ばっかで」
内海がターレをお得意顔でヒューヒューと転がすように走らせ、冷凍マグロが5匹入っている車のついた大きな木箱を牽引して運んでいく……。
都内特有の地下駐車場――保冷4トントラックが柱の陰に、荷台後部扉を柱と駐車枠の白線が垂直になるように、ピッタリと……止まっている。
トラックの荷台後部扉と柱と白線を真っ直ぐ監視する防犯カメラが天井に設置してある。
ターレで大きな木箱を牽引してきた内海が、手前で止めて、トラックの後部扉を開ける。
観音開きの扉にTOCHIGI2022529表示が開いたことによってカメラアングルでも確認できる。
内海が柱に陰に行って……フォークリフトを運転してくると、開いたはずのトラックの扉をもう一度開くような行動をとる。再びフォークリフトを操作して……トラックの荷台へとフォークリフトの爪を差し込み……レバーを操作。
ハッとした内海が降りて、開いている扉の陰に歩む。
すぐに戻ってフォークリフトを操作して……トラックから大きな木箱を出して……一旦床に置き、ターレで牽引してきた木箱を、フォークリフトで持ち上げて二度ほどトラック荷台へと搬入し、一旦床に置いた木箱をターレの台車に乗せて、フォークリフトを物陰に戻す内海。
と……小走りに戻った内海がトラックの扉を二度ほど閉じる動作をして、ターレに乗って……にやける。
とあるプライベートルーム――黒と赤の内装と家具――黒の机に、内側黒のノートパソコン。赤のトップスと黒の布地パンティ姿の謎めいたアラサー女子が、文字入力する。
パソコン画面に、申立サイト黒板のチャット。パソコンに06:04の時刻表示。
――キンタカマスターへ。俺、近日、実行する。キリタク――
――安月給で重労働。目の前には高級魚が、凍ったドル箱状態。パクっちゃうぜ! だが、どう人目を避けて運べば? ぱっくりマン――
――ぱっくりマンはそれやっちゃうの? 世直しアラサー女子……――
――必須の苦手お稽古訓練、朝っぱらから……嫌だけど(顔にバツのスタンプ)仕方がないので早朝出勤で実施しま~す(涙目で大きく口を開けた眠い顔のスタンプ) ⅯIK――
――ⅯIKへ。ま、がんばれ! REDⅯATTER――
――世直し女子の自称リサさん。実際にはパクっちゃう方法が……で、絵に描かれた餅的な、でして……(頭掻く顔スタンプ)ぱっくりマン――
――なら、アタシ。いい方法が。詳細なことは、このチャットの添付ファイルでね。のるかそるかは、ぱっくりマン次第よ。世直しアラサー女子のリサ――
――添付ファイル内容。
では同種のトラックをそのトラックの横に止めておくね。
でね。その荷台にマグロ五匹が入る重さを調整した大きさの木箱を入れておくからね。それと交換してね、ブツを摺りかえるのよ。木箱の底に封筒つけておくわ。その中に報酬を入れておくわよ。トラックの違いは♥(ハートマーク)よ。暗証番号必須時代の申し子さんなら、見ればピンと来るはずよ。実行するかは、ぱっくりマン次第よ。2時間後にはどうであろうとブラックハートマーク印のトラックを引き取るよ。
アラサー女子のリサ――
パソコンの外側が赤い蓋を閉じて、横のベッドに寝転ぶ……アラサー女子のリサ(以後、リサ)。
眼光鋭く天井を見ていたかと思うと、パソコンにメール着信の音がピロンとしても、もう目を閉じているリサ。
朝の魚市場地下駐車場――木箱を牽引して、ターレを走らせ……構内奥へと自動ドアを入って行く内海。
リサの部屋――カーテンの狭間から太陽光が差し込み、赤黒の部屋も明るくなる……と、毛布にくるまったリサが口をむにゃむにゃとさせ寝返りを打つ……赤いトップスがその床に脱ぎ捨てられていて、リサの背中が丸裸……斜にオッパイのふくらみが若干脇に見える……尻も少し毛布に中に見えている。トップスの下敷きになっている黒のパンティ……。
と、アメリカの70年代メイク四人バンドの重低音の音楽が流れる。リサが手を伸ばし……スマホを止める。
TOYOSU―SYO――屋上で、東京湾の景観を眺める……黒のハイカットスニーカーにブラックジーンズ……ブラウン革ジャンを羽織った襟足長め男が振り返る――言わずと知れたステータスルックの沖勇作が署内へと入って行く……。
豊洲市場内の男子トイレ――便座の蓋を閉じたままで、内海が個室に入っている。
ポケットから二つに折った封筒を出して……開ける内海。中に50万円が紙幣で入っている。
その個室の外――トイレの水を流す音――で、ドアが開いて、内海が出て来る。にやけて、武者震いして、手を洗ったついでに顔も洗って、首に巻いて作業着の中に入れていた長めタオルを出して、手や顔を拭って、タオルを首に戻して顔を両手でピシャっとやる。
鏡に写った顔がにやけるが、洗面台のダストボックスに丸めた封筒を捨てて……真顔で隠して出て行く内海。入替って男が2人、「トイレ済ませておこう」「トラックそろそろ二時間だ」とイタリア語で話している。が、生粋の日本人の内海には、何のことやらだ。
TOYOSU―SYO――一階フロアは玄関口を入ると一般者の各受付カウンターがある。『運転免許所更新』の受付に座っている制服警官の豊川海晴(以後、海晴)二十三歳が……専用タブレット端末機のポリスパッド(以後、Pパッド)を起動させて閲覧チェックする。
受付カウンター横壁の何の変哲もない大時計は8時25分を秒針が回ったところ……。
エレベーター横の上下階段を、舞花がプリプリ顔で地下から上がって来る。強い足取りに、ポニーの尻尾もその都度跳ねる。
何の気なしに見た海晴が、舞花の明らかなプリプリぶりに、頭を若干傾げる。
視線を向ける舞花……その先に受付の海晴。
「どうしたの、舞花」
「ああ、おはよ、海晴」
「うん、おはよ。で、朝っぱらから、何をそんなに……」
「ん、朝っぱらから変化おじいちゃま……ううん(首を横に振って)オジちゃまに絡まれちゃって、最悪だし」
「オジちゃま……?」
上を見る舞花……視線の先に大時計!
「あ、ミーティング、遅刻しそう、あたしったら初日だし」
「じゃ、あとでね、舞花」
「ん、海晴」
海晴と手を振り合って、階段を小走りに上がって行く舞花。ポニーテールを揺らしつつ。
警視庁の正面映像は、もうドラマやアニメでお馴染みだ。
その中のどこかの階段踊り場で、両脚均等開きの立ち姿勢の細身パンツスタイルの美脚。
「おはよ、
……少しダブつきのあるロングパンツお尻でも、シュッと締まっている様子が窺える。
「え、今時風に呼んでって」
……七分丈のジャケットの裾に見え隠れする締まったお腰。
「はいはい、
……なで肩ながらわりに幅のある背中。
「え? 勇作さんが、なに?」
……カール(ウエーブ)がかったセミロング程の長さのヘアスタイルの後頭部。
「ああ、元気……よ。きっと。部署が違うから」
と、電話する沖勇希、二十七歳捜査第三課の刑事の後ろ姿。
TOYOSU―SYOの2階――エレベーター前の廊下。到着したエレベーターをゆったりと降りて来る沖勇作。下からけたたましいヒールの足音が……。
観音開きのフリーゲート(以後、観音ゲート)に『捜査課』の文字。
沖勇作が、数メートル先の漢音ゲートに入ろうと歩む。
と、けたたましいヒールの足音が階段を響き近づいて……沖勇作とその足音主が出合い頭に激突する。
察した沖勇作が体を引いて衝撃を緩和させたことにより立ったまま振り返る。
「痛っ」と、ブラウン革ジャンの左後方にぶつかってきた足音主の方が転がって尻餅をついている。「あ、すみま……」と、謝りつつ顔を上げた先に……見かけた顔が!
「あ! おじいちゃま?」
「ああ、君か!」
「危ないじゃないし。急に出てこないで、あたしの前に。おじいちゃまなんだから」
「おじいちゃま、って。若づくりだろ、俺」
「そんなことどうでもいいし」と、沖勇作が一応出した手を握る舞花。
「小尻だから尾骶骨打ったんじゃ? 大事かい、君ぃ」
「あ、いきなりのセクハラ発言だし。ああ、遅刻ぅ」
沖勇作……。
「フン! 知らないぃ!」と、そっぽ向いて観音ゲートへと入って行く舞花。
揺れるポニーテールを目にした沖勇作がにやけて、頭を掻きつつ入って行く。
廃墟化した町工場――『新木製作所株式会社』の古い木の縦看板がかかるさびれたシャッターの正面口。さびれたシャッターの中は、もうしばらく人の出入りすらない塵埃がこんもりと積もった工場の作業場だ。奥にドアの取れた戸口。下からうっすらと明かりが漏れている……。
室内照明の明かりの灯った窓のない一室の中。真新しい工業機械や道具。中央のフリースペースに最新ハイテクコンピュータ完備の装置に、何故か? 全裸で、横たわるイケ女が乗っている作業台。
トイレの水が流れる音がして、桐島拓郎、三十九歳が来て、コンピュータを使用する。
「もう、俺、何人たりとも信じられない」
桐島拓郎が、ぶつぶつとぼやきつつキーボードを操作して、エンターキーを叩く。
作業台の上でイケ女が瞼を開ける。
「だから、俺、イケないことと知りながら……自分の思考を通ずる女を造ってしまった。命名、桐溝零華、自称二十七歳、職業フリーのアシスタント」
桐島拓郎がキーボードを操作して、エンターキーを叩く。
作業台に横たわるイケ女(桐溝零華)が、手と足の指を、まるで人のように滑らかに動かす。
「さあ、最終ラーニングの時間だよ、零華!」
桐島拓郎がキーボードを操作して、エンターキーを叩く。
モニター画面に、0と1と0と1が合わさったコンピュータ特有の数字羅列が展開されまくっている……。
「これがインプットされたなら、零華は不老不死のイケ女だ。見た目は普通に」
と、横たわるイケ女が黒目を桐島拓郎に向けて、つつましく笑って、上を向いて、静かに目を閉じる。
豊洲署捜査課――近代オフィスの仕切り壁のないUの字に備え付けられたデスクに五つのディスクトップパソコン。とはいっても、天板にあるのはモニターとマウスのみで、キーボードは天板のタッチパネル式。
太陽光が入ってきている大きな窓を背に、鮫須保、四十四歳捜査係長が座っている。
右手に、真中透、三十三歳巡査部長が資料をパソコンに入力している。横の空席にモニターがうずもれるような山のペーパー資料の山。
鮫須係長の正面の壁に、大きなモニターがあり、その上に神棚。
鮫須係長の左手の席、二つが空いている。
いそいそとポニーテールを揺らしつつ……舞花が入ってくる。
「ああ、舞花君だね」
座ったまま気軽に声をかけた鮫須の席に『鮫須捜査係長』のプレートがある。
「あ、はい」と、返事する舞花。ポニーの尻尾も一つ跳ねる。
「左手端の席が君の席だよ。パソコンの身上個人データの不備をチェックしてね」
「はい。します、します」と、示された席に座ると、さっそくパソコンを起動させる舞花。
沖勇作が入って来て、「え、君、うちの新人さんか、やっぱりビンゴだ」とピストルを真似た指で舞花を差す。
「ビンゴ? 朝からボケワードかましてないで、ごあいさつでしょ、おじいちゃま」
「お早うっす、諸君」と沖勇作が素直に挨拶する。
「はい、お早う」と鮫須係長。
「お早う御座います。先輩」と、顔を上げて、ちょこっと頭を頷くように振って、パソコン入力の手を止めて真中透(以後、真中)が舞花をガン見する。
「で、したのか、君は」と、眉を動かして沖勇作が問う。
「これからよ。おはようです、皆さん。今日から……」と、舞花が口を止める。
真中がガン見中……。対して、身を引く舞花。
「ええと?」と、右手人差し指を口に立てて当てる舞花。
いかにも一目ぼれテキなガン見を続投する真中……。
「おま(お前と言いかけて首を振って)君なあ。俺は、いつもは、入った瞬間に自然と口に出るのさ」と、沖勇作。
「はいはい、おじいちゃまは、ひつっこいし」と、沖勇作を見て、ゴリ押しガン見の視線がやっぱり気になって真中に目が行ってしまう舞花。その目が強張っている。
壁掛けアナログ時計が8時35分を、秒針が回る。
「データチェックしました。不備無しです。鮫須係長さん」と舞花。
「では、ミーティング、始めよう」と、鮫須係長が腕時計を見る。「おお、五分すぎた」
真中がガン見している。
「なに。エロ目線越えの恐怖だし」と、身震いする舞花。
「おい、真中巡査部長……」と、鮫須係長。
「おい、トール」と、沖勇作。
真中はまだ……心ここにあらずの境地状態で、ガン見中!
沖勇作が革ジャンの中の腰に手を回すと、バフューン! といきなりマグナムを発砲する。銃口から煙と些か軽い銃声が出る!
いきなりのことで、席を立ち! 何が起きたのやらの舞花……放心状態の驚き顔。
銃口を吹く沖勇作。
真中が椅子ごと後ろに倒れて、尻餅をつく。
「へええ……なに? 危ないよ、おじいちゃま、アルツハイマー越えしているの?」と舞花が何とか声にする。
沖勇作が、ドヤ顔状態で、腰にマグナムを戻す。
尻餅付いた真中が、キョロキョロとして、起き上がり椅子を戻して座る。
平常な顔で鮫須係長が首を振りつつ鼻で笑う。「ふんっ!」
「ああ、勇先輩。おはようございます。ええ……と、僕って……ええ、へえ……」
「係長さん。これって、何かのサプライズ?」と、デスクに両手をつく舞花。
沖勇作が何事もなかったかのように、席に着いて、パソコンを起動させる。
「ああ、そうだった。紹介しよう、本日付で配属となった、若井舞花巡査だ。勇作警部補のバディだ。よろしく頼むよ警部補」
鮫須係長を見て、自らの鼻を指差して沖勇作。
「改め、今日からお世話になります、若い舞花です」と、ちょこっと首部を垂れて、愛想笑いする舞花。ポニーの尻尾もルン! てな感じで跳ねる。
沖勇作が目を剥くように驚き顔を見せる。
「あたしったら、この若さで二階級特進候補だし?」と、呆れ顔で沖勇作を見る舞花。
見開いた眼の瞳を動かして、小刻みに頷く沖勇作。
太陽の位置がより天に昇り……豊洲署屋上からの東京湾の眺めが、水面の色が青や紺となる。賑やかな憤る営みの総合化した生活の音が、あい塗れている時分。
豊洲市場の横の通りを、赤色灯もサイレンもつけずに白黒パトカーが一台やって来て、豊洲市場へと入って行く。
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