WAOの思惑
一方その頃、上里春風と楠木愛日はWAOの先導でミカヅキハイランドを歩いていた。特殊部隊の監視がキツく別行動をとれないのだ。
(どうにかWAOの監視を抜け出さないと)
しかし、問題はWAOの意図がよくわからないのだ。スライム騒動にWAOが関わっているのはわかるがなぜ無関係な人々を移動させているのだろうか。それが謎だった。気がつけばミカヅキハイランドの自然公園ゾーンに足を踏み入れていた。
ウィルソンは無線で外部と連絡していた。内容はよく聞き取れない。何もわからないまま自然公園ゾーンの広場にたどり着いた。広場には巨大な電源装置が鎮座してあった。信濃橋博士が電源装置の前に立っていた。
「WAOに頼んで運ばせた巨大電源装置……こいつでスライムを一本釣りじゃ!」
信濃橋博士は満面の笑みだ。スライムを捕獲する自信に溢れている表情だ。
「信濃橋博士……準備できました」
ボブが信濃橋博士に人質の到着を告げた。
「ボブくんが着ぐるみステージに引き返さなければ、ワシのスライム相手に過酷な戦いを強いることになってしていた……ワシの怒りで頭に血が昇っていたので失念しておったわい」
信濃橋博士は自分の頭を軽く小突いてみせた。
(信濃橋博士……何者だろう)
春風は信濃橋博士の存在に疑問を覚えながらも大人しく人質になっていた。
「皆さん……落ち着いてください!もうすぐ脱出の飛行艇が着陸します」
ウィルソンが拡声器を持って人質に告げた。
「あのーっ、あそこにある巨大な電源のようなものはなんですか?」
人質の一人が謎の電源装置について尋ねた。
「それは国家機密になりますので教えられません!」
ウィルソンは強い口調で拒否した。
「ウィルソンくん、始めるぞい……楽しいスライム釣りを」
信濃橋博士は静かな声でスライム捕獲作戦の開始を告げた。
◆◆◆◆◆
「中々、スライムが電撃を放ちませんね」
涼太は遊聖とともにスライムを投石して注意を引かせていたが中々電撃を放たれなかった!
「投石だけでは難しいのだろうか」
遊聖が弱音を漏らした、その時、スライムが別の方向に動き出した!
「あっちには広場がある!」
「急がないと!」
急いでスライムを追いかける二人! スライムの動きは素早くスライムはあっという間に広場にやってきた!
「ス、スライムが高速で電源装置に向かっているぞ!」
「よくわからないけどヤバいぞ!」
スライムが電源装置に向かう姿を見てパニックを起こす人質!
春風も突然のスライムの襲撃に目を丸くするばかりだ!
そんな中で愛日は遠くの方を見つめていた!
「パパ!」
そして、愛日は突然走り出した!
「愛日ちゃん!」
突然の出来事に春風も走り出した!
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