逆転の一手を探せ


――ミカヅキハイランド、自然公園エリア。

「参りましたね……」

 葉月涼太は困っていた。スライムをできるだけ人のいる場所から遠くに離れさせようとしたのはいいが、スライムをどのように無力化させればいいのかがわからないのだ。ブシドーグリーンに変身して斬ってみることを検討してみたが分裂して逆効果になる可能性を否定できないのだ。このままではじり貧状態になるのは目に見えているのだ。どうにか打開策を見つけなければいけなかった。

 そんなことを考えてもスライムは待ってはくれなかった。目を話せばアトラクションの方向に向かおうとするのだ。一瞬の油断は許されない状況が続いていた。


「まなびー! お父さんだよーっ! 怒らないから出てきなさい!」

 涼太はスライムの対処に悩ませていたら聞いたことのある名前を呼びかけている少年の姿を見えた。

(これは愛日ちゃんのお父さん? しかし見た感じ高校生にしか見えませんが……)

 こんな非常事態に愛日を探す推定父親を見かけるとは思わなかった涼太は思わず苦笑いした。愛日の父親らしき少年は涼太の姿を認識すると涼太のいる方へ近づいてきた。

「すいません! ウチの娘を知りませんか!? 少しヤンチャな目に入れても痛くない娘なんです!」

「……ひょっとして愛日ちゃんのことですか?」

「そうです!こんなところにまなびのことを知っている人がいるとは思わなかったです!」

 少年は愛日の安否がわかり安心した。

「それでまなびはどこにいるんですか?」

「今はミカヅキハイランドの休憩施設にいるはずです」

「案内してください!」

「案内したいのはやまやまなのですが、今はちょっと忙しいんです」

 そう言って涼太はスライムに視線を向けた。

「……これはスライム? スライムがなぜここに?」

 少年はスライムを見て目を白黒させた。スライムは再び遊園地側に向かおうとしていた。

「油断も隙もない!」

 涼太は投石してスライムの注意を向けた!

「……何者かがスライムを解き放ったようです」

 涼太はわからないなりに経緯を説明した。

「よくわからないけど手伝いますよ……俺の名前は古河遊聖です」

「それはどうも……葉月涼太です」

 遊聖は涼太に協力する意志を示した!

「しかし、スライムをどうすればいいんだろう?」

「そこなんです……私もスライムをどう無力化すればいいのかわからないんです」

 涼太と遊聖はスライムを監視しながらどうすればいいのか考えた。

「どうすればいいのか、まったくわからん!」

「……でしょうね」

 頭を抱える二人に業を煮やしたのか、スライムは電撃を放った!

「!」

 二人は回避したがその様子を見て涼太はアイディアを思いついた!

「その手がありましたか!」

「その手は何ですか!」

「スライムをよく見てください」

「……っ!」

 スライムが電撃を放つ前より若干小さくなっているのだ!

 涼太はスライムの性質に気づいたのだ!

「スライムが電撃を放てばスライムが小さくなる!」

 対スライムに光明が見えてきた!

「スライムに電撃を放たせるには一体どうすればいい?」

「とにかく攻撃すればいいんですよ」

 そう言って涼太は落ちていた木の棒でスライムに殴りかかった!

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