スライム大パニック
大観覧車、ティアムーン・ホイールが突如停止しBGMが停止した。突然の出来事に愛日は目がぱちくりして不安そうな表情をした。
「大観覧車が止まったんだけど、どこかのヒューズが飛んだのかな?」
「まさか、すぐ非常用電源が付きますよ」
涼太は非常事態にも落ち着いていた。窓の外の風景は電気が突然止まった遊園地の姿を映し出されていた。
数十秒後、電気が再びつきティアムーン・ホイールが再び動き出した。
「……安心だね」
愛日はホッとしたような表情を見せた。
「もう……驚かせないでよ!」
春風は観覧車が動き出したことに安堵した。春風と涼太と愛日を載せたゴンドラはゆっくりと一周して地上にたどり着いた。3分弱の空中遊覧を終えて地上に戻ってきた3人はゆっくりと伸びをした。
「しかし、あの停電は何だったんだろう」
春風は謎の停電について首を傾げた。
「さぁ、よくわかりませんね」
涼太もキョトンとした表情を見せた。
「とにかく迷子センターに行きましょう」
涼太は春風に愛日を連れて迷子センターに向かうことを促した。
「わかりましたよ……」
そこに何か柔らかいものが這いずるような音が聞こえてきた。
「何だろう」
春風は耳障りな音のするほうへ顔を向けた。視線の先には電源を求め這いずり回る白いスライムの姿を目撃した。
「何あれ!?」
春風は声を上げて叫んだ!
「これはスライム……なぜミカヅキハイランドに!?」
涼太の頭は混乱した。
「なんだろう……これ?」
愛日はキョトンとした表情だ。
「上里さん! 愛日ちゃんを安全な場所に連れて行ってください!」
「葉月さんはどうするの!?」
「僕はスライムを遊園地の敷地から遠ざけます!」
そう言って涼太は白いスライムを遊園地から遠ざけるためにその辺の小石をスライムに投げつけスライムの注意を涼太に向けさせた!
スライムはむくりと涼太の方向に向かっていく。
その隙に春風と愛日はその場を急いで離れるのだった。
◆◆◆◆◆
「ウィルソンくんらは何をやっているのじゃ! スライムがにげてしまったぞ! どう責任を取ってくれるのじゃ!」
「信濃橋博士、申し訳ありません! すぐスライムを回収いたします!」
信濃橋博士の怒号に恐縮するウィルソン!
「なら早くスライムを回収するのじゃ! 早く回収しないと大変なことになるぞい!」
「わ、わかりました! 行くぞ!ボブ!」
「ラジャー!」
ボブとウィルソンは慌ててスライムを回収するために着ぐるみステージを出ていった!
「どうしてこうなったのじゃ!」
信濃橋博士の嘆きが着ぐるみステージに響き渡る!
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