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 催促すると姉は席を立ち自分の食器を流しに持っていく。そして食器を洗い終え、テーブルに戻ってくると、食べ終わった私の食器を流しに持っていく。

「あとはやっとくから、美花は早めに学校に行ってて」

「わかったあ」

 言われるままに支度をして学校に向かう。先生より早く着くんじゃないだろうか。違うにしても他の生徒より一番だろう。


 教室に入ると男子がひとりいた。意外にも一番じゃなかった。ちょっと驚き。

 背を向いていて誰だか分からなかったので、声を掛けてみた。

「お、おはよう」

 男の子が振り返る。前田君だった。

「おはよう」

 前田君は少しずつ私に近付き「これ」と手紙を渡してきた。そしてすぐに教室をあとにする。

 封筒の表には『前田より』としか書かれていない。早速開けるとそこには


 次の日曜日に遊園地デートしませんか

 午前九時、駅前の時計台の近くで待ってます。


 嬉しくて心臓がドキドキしている。いきなりデートを申し込まれて、しかも大好きなあの前田君から。私は明後日の日曜日が待ち遠しくなった。


 土曜日は姉に隠れて洋服屋さんに行き、可愛い洋服を買う。家に帰ってもう一度試着してみる。

「美花、服買ったの?」

「ま、まあね」

「もしかしてデート?」

 す、するどい。さすがは完璧超人の姉。宝くじで一等当てられる勢い。

「ま、まあね」



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