第2話
…て
…きて
いい加減起きなさいよ!
「!?」
痛った!え?えーっと、なに?
「何とぼけた顔してるのよ、あなた毎回毎回寝すぎなのよ。いま何時だと思ってるの?」
いや、俺が寝たのは昼休みから、普通に考えて今は…あぁ、やったな、これ
「言っておくけれど私は起こしたわよ?それでも起きないで勝手に人の膝で寝た挙句、人を放置して放課後まで寝るバカは全世界探しても何処にも…あら?失礼、ここにいたわ」
ちっ、相変わらず腹立つ言い方しか出来ないのかこいつ
「はぁ…貸し1つな」
「相変わらず義理だけはあるのね。ありがたくいただくわ」
「にしても進学校のくせに呼びに来ないのな俺らのこと」
「そりゃ1度や2度のことじゃないからじゃないかしら?」
「たしかに」
俺たちが通っている高校はここら辺では名の通ってる進学校の『
「だからって呼びに来ないって教師としてどうかと思うけどな」
「中学生って訳でもないし自分で考えろ的なあれじゃない?」
「ま、俺は日数足りてるし問題ないがお前は?」
「あら心配してくれてるの?生憎この授業はまだ大丈夫ね、…それよりもあなたいい加減おまえ呼びはやめてくれない?」
「めんど」
「次、呼ばなかったら…あることない事言いふらすわよ」
「じゃあお前もいい加減あなた呼びはやめろ」
「はぁ…そろそろ降りるわよ…
「ん、今日は悪かったな…
「…やっぱり気持ち悪いわね」
「くたばれ」
なんでこうも女ってめんどくさいんだ。やっぱり見てるのが1番だな…って
「おい!あの2人はどこ行った?」
「いきなり大声出さないでくれる?そんなこと言われても知らないわよ」
「つかえな」
「はっ倒すわよ…と言いたいところだけどいいニュースねクラスのイケメン?君があなたの推しの片方『
んなぁ!!それはビックニュースじゃないか、こんなことしてる場合じゃないなこれは
「ちょっと!どこ行くのよ!」
「探してくる、彩月は?帰るのか?」
「あなたねぇ…私がこんな面白いこと見ないで帰るわけないでしょ?」
「決定な」
全く…変なところで気が合うな、こいつは
◇
「……ちょっと、なんて言ってるの」
「……あんま顔出すなよ、バレたらめんどくさい」
にしても案外簡単に見つかったな、まさかあの使われて無い教室だろうとタカをくくって見たらホントにいるとは思わなかった。今俺らは教室の廊下側の窓から奴らを見ているのだが…そう、奴らなのだ。高校生にもなって取り巻きがいないと話ができないのかアイツは、なんて言ったっけ…
「……おい、あいつなんて言ったっけ」
「たしか…『
だそうだ、まぁさしずめ今まで手に入らなかったものがなかったのになんでこんな奴とーって感じだろう。世の中金で成り立つならラブコメなんて存在しねーっつうのだいたい…
「ーーーーいい加減にしろ!」
「「!?」」
なになに、急に怒鳴って。そう思って俺はさらに覗き込んでみると、胸ぐらを捕まれ複数人に殴られている彼の姿が目に入った。
「ーーーー君みたいな!凡人が!九重さんと!」
「……ねぇ、あれ。止めなくていいの?」
「……言っただろ?俺は見る専なんだ。どうなろうとそいつの
パリン
「キャッ!」
「ちょ、バカ!」
「ーーーー!?誰だそこにいるのは」
おいおい。何が「キャッ」だよかわいこぶんな。はぁ、ばれたやんこれ。しゃーない『口止めするか』
「おい彩月」
「な、なによ!仕方ないじゃない急に割れたんだから」
「貸し、これでチャラな」
「……おい、たしかあいつらってあの佐藤と井上じゃね…?」
「はぁ!?マジかよ…なんでこんな時間まで残って…」
「どーでもいいけどさ、今日。この時間。この場で俺たちを見た事お金があれば記憶ごと消せる?ねぇ?新庄くん」
「い、いやそれはいくら僕でもそれは…」
だよな、いくら金や権力があっても記憶は消せない。それは感情も同じ
「そ、ならさ」
「ほーんのちょっとだけ伸びててくれないかしら?」
◇
「すみません、助かりました。でもなんで…」
「勘違いしないで、俺はこのバカが声出さなきゃお前がいくら殴られようといっそここで死のうと全くもって干渉する気は無かった」
「んな…!」
「それが人の生だろ?だからこそ面白い」
ラブコメは、特にね
「そろそろ行くわよ」
「いや勝手に帰れよ」
「彼も待ってる人がいるでしょ?」
「あ、そゆことね。ならここらで帰りますか、それと」
「どうか、しましたか?」
「これからも面白いもの見せてね」
「…」
◇
「あなたこれからどーするの?」
「仕事」
「あなた仕事って…あぁ、家のね」
それ以外ないだろ、まぁ家の仕事って言ったら家事を思い浮かべるだろうけど、まぁ…色々だ
「じゃあな」
「えぇ、さようなら」
そう言って俺は後ろを向いて歩き出す、ここからは仕事の時間、だからな
[はい、何か御用でしょうか]
「ーーーー俺だ、車をよこせ」
[かしこまりました、いつもの場所でございますね]
「あぁ、早くな」
そう言い俺は電話を切る、ここからは全く関係のないただの幕間だ。
あーあ…はやく、明日にならないかね
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