第6話 とある人物のレポート

 ≪とあるレポート≫


 20xx年x月x日、富士山脈にて自衛隊が演習中に未確認生物と遭遇。その未確認生物は攻撃性が強かった為やむなく交戦となる。

 未確認生物は身体能力と強靭性が強く、自衛隊員に負傷者が発生。が駆除事態は無事に完了。遺体は研究の為に持ち帰る。


 翌x月x日、またもや未確認生物と遭遇。前日に引き続き駆除。危険度が高い生物と判断され、繁殖が進んでいる事を考慮し巣の捜索が始まる。


 同日、未確認生物の巣らしき不可思議な穴を発見。これを調査す。


 20xx年x月x日、未確認生物と巣の調査が進み、それらから地球上では見つけられない様な要素が発見された。

 また巣内部では空気中の構成や磁気が異常値を示し、『内部が地球上とは違う場所と繋がっているのではないか?』との見解が示される。


 20xx年x月x日、巣内部調査中、調査に出ていた部隊が壊滅。生き残った隊員によると今まで見たことがない様な危険生物と接敵し、それに壊滅させられた模様。以降、危険性を鑑み調査は即時撤退可能な入口周辺のみに限定される。


 20xx年x月x日、x県x市で富士山脈と同様の不可思議な穴が発見される。当初は警察へと通報が寄せられていたが、警察では対処が難しいとされ自衛隊に応援要請がかかる。

 要請を受けた自衛隊はこれを受諾。即時人員を派遣。不可思議な穴へと調査にはいる。


 20xx年x月x日、全国各所にて不可思議な穴、そして危険生物の発見報告がなされる。自衛隊は国からの要請もあり、即時に行動。警察と連携しこれらの対処へとあたる。


 20xx年x月x日、国は協議の結果、危険生物と巣を現段階で公表すると大混乱が巻き起こるだろうと懸念し、当分の間は秘密裏に管理する事を決定づけた。・・・以降『不可思議な穴(巣)』を『ホール』、『危険生物』を『魔物』と呼称する。


 20xx年x月x日、突如ホールが全国各地で展開し、中から魔物があふれ出て来る現象が発生。後に解った事だが、この時海外でも同様の現象が起こっていた模様。・・・以降、この現象を『氾濫現象』と呼称。

 氾濫現象では今まで管理していたホールの数を越えてホールが出現したため対応が難しく、また何処に出現したかも定かではなかった為、大部分のホールは自衛隊や警察が未対処となった。・・・その為、氾濫現象の死傷者は過去最大の災害を優に越え100万人規模にも及んだとみられる(未だ一部地域は立ち入る事が出来ない為、最終被害未確認)。

 また、自衛隊や警察が対処したホールも出て来る魔物の数が尋常ではなかった為、両機構はこれに対処が出来なくなり対処する事を放棄、人々の避難誘導を優先する事となる。

 しかしこの時各地で不思議な現象が発生。死傷者が1000万人規模に至らなかったのは自衛隊や警察が避難誘導に回った事もあるが、この現象のお陰でもあると言えるだろう。


 その現象は未だ解明され切ってはいないが、解っている事だけを記す。


 一番先にその現象名を記すが、その現象名は『覚醒』。読んで字のごとく、何かに目覚める現象である。

 今現在解っているのは、覚醒をすると『業』を得て身体能力があがる、又は特殊な能力を身に着けれるという2点である。

 これが何によってもたらされたか、また何故この様な現象が起こったのかは未だ論争広げられるモノだが、少なくとも覚醒は人類にとって助けになる現象であることから肯定的な意見が多くを占めている。


 以上、覚醒の事を記したが、これにより各地でホールに立ち向かう者・・・『覚醒者』が現れた。

 覚醒者らは各々の覚醒した力を使い魔物を撃退、一部はホールの内部にまで追撃を行った。


 そんな覚醒者らの活躍によりホールよりあふれ出た魔物は大よそ撃退、山や森等の立ち入る事が難しい場所以外はほぼほぼ駆除が済んだと見られる。


 そして20xx年x月x日、生き残った政府が事態の仮収束を発表。以降、覚醒者らの力を借り国家再建をする。

 しかし、この時から覚醒者による犯罪も多発し始めたので、政府は一部覚醒者らの力を借り『覚醒者協会』を設立。『覚醒者法』等の法案を作り上げた。

 以降、覚醒者は覚醒者協会への登録が必須になり、未登録者、犯罪者へと取り締まりが強化。覚醒者による犯罪件数は落ち着きを見せた。


 翌年からは覚醒者らによるホールへの資源採取等も始まり、世は覚醒者らを中心に回り始めている。


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