相棒③

「なあレイジ、何であんな事を言ったんだ?」

 あの時、そう問掛けたおれにレイジは笑いながら返した。

「プハッ。副社長のあの顔見た? おっかしー。ありゃ絶対、欲情してたね」


「レイジ、お前な。あのまま、あいつが……」

「大丈夫だよ。だって、ショーゴが絶対止めると思ったから。悔しいじゃない? さんざ人をもて遊んで今更オレ達の事、インランみたいに言うなんてさ。ま、確かにアイツの言う事もホントだけどね。寝首かかれない様に気を付けなくっちゃ。でしょ?」


「ショーゴ、どうしたの? ぼーっとして」

 レイジの言葉に我に返った、おれは用事が有った事を思い出した。

「そうだ、ゼロ。ミッションについてミーティングがあるんだった」

 ミッションと聞いて、途端に不機嫌になるレイジ。ゼンに先に部屋へ帰っててと言い、おれに付いて歩きだす。


「ねえ、次のミッションって何かな?」

「さあ、どっちにしても、おれ達に依頼する位だから、ヤバイ仕事なんだろ」

 ミーティングルームに入って行くと、既に先客がいて「よお」と手をあげて挨拶する二人がいた。

 声を掛けてきたリキは兎に角デカイ。身長が2m近くあるだろう。人並み外れた怪力の持ち主だ。実戦チームで、その体に乗っかってる顔は体に不釣り合いなほど幼い。

 もう一人は女で、ケイトだ。おれと同じ能力チームのサイコメトラーで、ブロンドの髪にマリンブルーのかなりの美人だ。

 その二人を前に座って居るのは、幹部の一人で、まだ若い男だ。肩までのプラチナブロンドの髪を後ろで結んだ、冷たい感じの整った容姿をしてる。

 おれ達の新しい担当になる奴らしい。


「やあ、いらっしゃい。久しぶりだね、ショーゴ、レイジ。いや、ゼロ」

 声を聞いて顔を上げたレイジは、顔を歪ませ叫んだ。

「何で、アンタがここに居る?」

 おれも信じられない思いでいた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る