第3話 雨の日と雨の魚と。①
5月も半ばになり、段々と夏の気配が見え
『今日の天気は雨時々曇り、天候の変わりやすい1日が〜……』
テレビの天気予報を
「おにぃ.....なに一人でニヤニヤしてるの....キモイよ」
なんだか急に妹に
こいつは
「おい
「うっさい今機嫌悪いの! それくらい分かって! だからおにぃには彼女できないんだよ」
「........」やめて!お兄ちゃんのライフはもうゼロよ!
「それで、なんで機嫌悪いんだよ」
「せっかく友達と出かけにいく予定だったのに、雨だから違う日にしたの」
「なんだそんなことか....」
「そんなことって何よ! 楽しみにしてたのに....」
結構落ち込んでるみたいだ。言いすぎたかもしれない。確かに受験生にとって、週末のお出かけはかなり貴重な息抜きになる。それが友達となら
「ま、まぁ家の中でもくつろげるしな! ほら、琴音もとりあえず座れよ」
「....うん」
とりあえず寝転んでいたソファを空け、隣に妹を座らせる。どうやって元気づけようか。
「今日の午後どっか好きなとこ連れてってやるから! な? 元気出せ。琴音の好きなたい焼きも買ってやるから」
「....別に。おにぃがどうしても私と一緒に行きたいって言うなら、行ってあげなくもないよ....?」
「はいはい行きたいです行かせて下さいな」
琴音は昔から素直じゃない。でも少しは元気になったようだ。こういう可愛さがあると、どこへでも連れて行きたくなる。
「あ、じゃぁ私あそこ行きたい! この前おにぃも行ってた水族館!」
前言撤回。あそこだけは避けたい。
「そこは....行ってどうする?? 魚見るダケダヨ....」
「行くだけでも楽しいじゃん! それにあれ見たい。ほら、あの....おにぃが好きなやつ。なんだっけ。ホワイト....ガーデン?」
それだとただの白い庭になっちゃう。
「ホワイトスポッテッドガーデンイールな」
「そうそれ! たしかチンアナゴにの一種なんでしょ?」
「そうだけど」
「見たいなぁ〜」
でもあそこには....! どうにかして誤魔化さねば。
「そこは今度別の機会に....」
「ところでおにぃ。この前友達と遊びにいったその水族館、帰ってきてからなんか様子変だったけどなにかあったの?」
くそっ..こういう勘は鋭いっ....。
「いや、べ、別に、」
「それに今日も頑なに水族館の話そらそうとするし。魚好きのおにぃがおかしいなぁ....?」
「正直に答えた方がいいよ? おにぃはもう泳げないマグロ。詰んでるの。わかる?」
「あの.....琴音さん....? 目がガチなんですが…?」
目が怖い怖い。
「まさかおにぃに限って女子絡がらみなんて事はないだろうし....」
「........」
「え。」
琴音が驚愕の顔でこちらを見てくる。やめてその塩焼きにされた
「だから最近スマホ見ながらニヤニヤしてたの....?」
「べ、べつにニヤニヤしてなんか!」
「女子のことは否定しないんだ」
「あ....。」
「まぁいいけどさぁ。おにぃがだれとイチャイチャしようと勝手だし。」
(.......それに、一番おにぃのそばに居る人は私だもん....!!)
「え?なんて?」
「なんでもないっ! ニヤニヤするおにぃがキモイって言ったの!」
「だからニヤニヤしてねえって....!!」
「とりあえず今日は水族館連れてって!」
「まぁ分かったよ....」
こうして妹をクラスメイトが働いているかもしれない水族館に連れて行くことになった。
——————————————
【後書き】
お久しぶりです、おしずまきです。
今回もここまで読んでいただきありがとうございました!✨
第三話「雨の日と雨の魚と。①」いかがだったでしょうか。
ちょっぴり幼っ気が抜けない、
実はタイトルになっている「雨の魚」はまだ登場していません…!
なんの魚か、楽しみにしていて下さいね!
本来、この第三話は29日に投稿する予定でしたが、身内の法要と重なってしまったため、30日に変更させていただきました。すみません。
そんな29日に、多くの方にTwitterの方でRTやイイネをしていただき、この作品が一気にPVが伸びました…✨本当にありがとうございます。うれしいかぎりです。
いいね、コメント、レビュー、Twitterのフォローなど、大歓迎です!
これからも【鯨井さんはお魚がお好き】よろしくお願いします🍀
それではまた次回!おしずまきでした。
※次回第四話「雨の日と雨の魚と。②」は6月5日日曜日更新予定です!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます