第八話:再会は酷い
ケホッケホッ
リンロの
そこでカウリに心配そうに見守られていたミハリが、意識を取り戻し
(……良かった)
「ありがとう……カウリ君」
「……うん」
(助けたのは僕じゃないんだけどな………)
そう思いつつもカウリは、リンロからの
カウリはなるべくリンロ達に触れないようにと気を使っていたが、それに反して向こうの騒がしさは
「チョーチョー。ネガティブ・逃げティブに続き、棒読みティブときたっチョか。
お前……俺様のことまだ信頼してねーだろぉっー!!」
(ティブとは一体………)
「いや……本当に助かったと思ってるぞ」
「だったらもっとちゃんと言うっチョーっ!!
こう
「あの人達は?」
「……えっ……と……。
あの人達は、ミハリちゃんを助ける時に力を貸してくれた
ミハリが謎の人達とされた二人を見つめる。
「……………」
その
5秒……10秒……とミハリがリンロの後ろ姿を見つめ続けていると、その
ミハリの記憶から
────!!!
「あっ……あのっ!」
「!!」
「!!」
ミハリが突然大きく出した声にびくつくカウリとリンロ。
「リンロ? ……………………ですか?
あっ……間違ってたらごめんなさいっ」
「ン? 何だあの当てずっぽう女。何かお前のこと呼んでるみたいだチョ?」
リンロは
「………………」
おい
やばい、
とりあえず何か言わねえと………。
「俺──」
ゾヒッ!!
顔を左に向けた
「分からないなぁー」
そこに立っていたのは移動した勢いのまま
「!!」
リンロはすぐさまネユマの方へ
「リャンガである君が
人間は僕たちが普通に生きようとしているだけで、
キュッ
ネユマは左足を
「そんな
メキメキメキッ
右足で風を
でュボゴッ!!!!
リンロは子供に投げられた人形のように自身の
「人間とリャンガは
────────────
(ミハリにずっと
その間ずっとカウリに支えてもらって
さっきまで動けずにいた他人の俺を、トゥーチョはここまで連れて来てくれた…………。
やっとここまで来れたっつうのに、
「ほんと最低だな…………俺」
リンロの身体は
やがて横へ飛んでいた
(ごめん………トゥーチョ…………カウリ……………ミハ───『………じゃん』
その
『死んじゃ……ダメじゃんって……言ったん……だよ。
ちゃんと聞きなよばかっ!!』
(なんで
…………あれ? もしかして俺、自分で思ってるより生きたいとか思ってんのかな?
いやそんなことねーか。あってないような命だったし……。
きっとミハリへの
「ごめん、無理だミハリ………。俺はもう……」
ポタッ
リンロの左の目の下に1
あったけえ………雨…………。
そんな雨にふと、今どんな空をしているのか気になったリンロはゆっくりと目を開き始めた。
ミハリがいた───
彼女の目から
「死んじゃダメじゃんっ! バカっ!!」
は?
口をぽかんと開けたまま力の
「ミ……ハリ……何で……お前………」
「手を
「…………何……来てんだよ……俺はっ」
その
俺はミハリに何も言ってない…………。
言っておくべきだったとリンロは
「俺はもう人間じゃねえっ…………。リャンガっつう化け物なんだっ!
俺がそう言うとミハリは一瞬驚いたような表情を見せて、それから優しく笑った。
「うん、分かった」
何だよ…………その反応。
「…………。分かったんなら、まずそのこっちに突っ込んでくる今の
俺が何とかするっ。昔に約束しただろっ? 支える
(ミハリと出会ってから支えられていたのはいつも俺ばっかりだった。俺は一度だってミハリのこと支えられてねえのに)
ミハリは何も聞こえていないかのようにそのままリンロを
「おい……聞こえてんだろっ! 俺に
(俺なんか生きてる価値もねえ最低な命なのに。
俺はずっとお前を心配させて傷つけて。
「死んだ後の私の身体を使えば、リンロならきっと助かれると思う」
「…………何……言ってんだよ……んなことできるわけ……。
………やめろ─────
やめろおおおおおおおおおぉぉぉぉーーーーっ!!!!」
ミハリの手が俺に見えている空を少しずつ消していく。
「
「リンロはこれからも強く変わっていける。だから最後までちゃんと変われないと思った
「いやだ」
「ごめんね……バイバイ、リンロ」
ぐッ!!!!!!
それ以上は
(ああ終わったな……。
もう目開けたくねえな…………。
でも今さっき、それはミハリに駄目だって言われちまったんだよな…………。
とりあえず……生きねえと……)──────
《目を開くとそこには、
それを見ていたのはミハリ──────
「え?」
「ほんとリンロの言ったとおりだったね」
その声はミハリの下の方から聞こえる、だがリンロの声ではない。
下に目を向けミハリは、自分が
声がしていたのは屋上からだった。
リンロが
「ねえミハリちゃん。
君の気持ちも分かるんだけど、今のは少しムチャし過ぎかな。
この
ミハリちゃんを傷つけたくない、ミハリちゃんに生きてほしいって想ってるリンロの気持ちをさ」
「…………」
目を開けると俺は屋上から
何が……起こったんだ? なんでミハリはあんなとこに……。
涙が
スッ
カウリが左手を下ろすとミハリがゆっくりと
タッ
カウリは右手を前に出しそこから繋がるリンロを屋上から見下ろす。
「僕だって二人に死んでほしくない……二人は
それに今まで僕が過ごしてきた君達は自分を
カウリがリンロに明るい笑顔を見せる。
「僕はまだまだ君達とは
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます