第11話 前世が出てきてパニックになってしまう件

今日も平和な朝が来た~!


かぁちゃまはご機嫌さんで、ひよりに触ってる。

あっこっちに来た!


すずな~いつもいい子でありがとう~♪


朝から妙にハイテンションなかぁちゃま…

こういう時は何かあるって、すずな知ってるよ。


ひよりも知ってる~


ふと急に電話が鳴る。かぁちゃまのスマホが鳴ってる。誰だろう?

スマホの画面を見たかぁちゃまは妙な顔をして電話に出てる。


で、どうしたの達哉?こっちにかけてくるなんてさぁ…


と、、とにかく、店に来てくれないか…


分かったー。すずひよ連れて行くから少し時間かかるよ~


いいから早く来てくれ!


達哉パパのお店で、なんだか大変なことが起こってるみたい?

それにしては、かぁちゃまはゆったりしてるなぁ。

本当に大変な時は素早い動きをするはずだし、私達も連れて行くって

余裕すら感じるんだけど…変だなぁ…


ほんと変だねぇ…


ひよりも同じ意見みたい。


かぁちゃまは私達専用のカートを出してきて、お出かけの準備を始めた。

いつもよりゆっくりしてる…。いいのかなぁ…。


すずな、心配なんだね。


うん!達哉パパはすごく困ってるみたいだったから…。


そーだよねー。あー見えて常に冷静な男だから焦るって何か大変なことがあるって思うよね。


思う思う。

おもうーー!


大丈夫よ。あれは慣れないことが起きてるだけ。それも原因は真葵人だし…。


えっマキト?弟の?

の?


そう、そのマキト!人様に迷惑かけるなんて困ったもんだ。


かぁちゃまは笑いながら達哉パパのお店に来た。


達哉ーー!来てあげたよーーー!


かや…来たか!助かった~!あれどうにかしてくれ!


アレって…真葵人?


そうなんだよ、来た途端に泣き出してさぁ。


あら、振られたんじゃない。ほっとけば(笑)


いやいや、だから俺の前で泣かれてもさ。


そうだねぇ。女なら扱いなれてるけど、男じゃねぇ(笑)


そそ、女なら扱いなれ…何言わせるんだよ!


あら本当のことでしょ?


…(黙秘権)。で、真葵人君泣いてるのに心配じゃないのか?


ん、心配してな~い!あれ真葵人じゃないから。


えっ?マキトじゃないの?

ないの?


あれはどうみても、この間会ったマキトなのに違うって言う!

すずな、かぁちゃまの発言にビックリする~!


ひよりも~!


あーなぁかや。俺にも分かるように説明してくれないか?


ま、見てなさいって。ふふっ


かぁちゃまは達哉パパを鼻で笑って、マキトに向かって話しかけた。


キョウさん久しぶりね。どうした?


あ、萱森かやもりさん久しぶり。


どうしたの。何かあった?


かやさん!聞いてくれよ!俺さ…俺…もうダメだ。


振られた?


そうなんだ。やっと今生でも会えたのに、あいつには良い人がいてさ…もう俺のことなんか忘れてるんだよ。あれほど来世で会うって約束したのに…


キョウさん。まだ振られたと決めつけるには早いよ。


でもさ、あいつと一緒にいるんだ!やっぱりもう俺の手なんか必要じゃなくなってたんだよ…。


まぁまぁ落ち着いて。キョウさんは悲観するタイプだし、ネガティブだし、こういう時は良い方向に考えられない性格って大変ね。ま、それは今生の真葵人も同じだけどさぁ…


でも、あんな風に仲良くしてるのを見たらもう自信持てなくて…。


現世とキョウさん達は別なんだよ。ちゃんと本人に話聞いた?本人の気持ち確認した?その前にちゃんと自分の気持ち伝えた?


まだ…。


もうそっからでしょ。


でも、もう遅い…


あーもーぐだぐた言ってないで告白して来る!分かったね!


そこまで言って、かぁちゃまはいきなりマキトの背中を叩いた。


バシッ!


すごくいい音がして、どんよりしていたマキトの目がハッキリとクリアになってきた。


は~い!真葵人おかえり~。


なんだよ、いきなり登場して手を振っておかえりって、どゆうことさ?


真葵人?覚えてない?


何が?


あんたここで大泣きして達哉困らせてたんだけど…。


えっ俺が?


そうだよ、真葵人君。この席に座るなり泣き出して…困って…かや呼んだ。


泣いてた?


振られたって。今生で会うって約束したのにとか、あいつと一緒にいるとか色々言ってたよ。


あーーーそれか!


身に覚えがあるんだね?


あーちゃん分かってて聞いてるよね?


当然!


で、俺はどうしたらいいの?


だから現世もちゃんと相手の気持ち聞いて自分の気持ちも言う!正直にね。


でもさぁ…。


そう言ってるから話が進まないで、前世と現世両方で沼なんでしょうに。


でもまだ告白って…


現世はまだ告白の準備段階なんだけど、前世が運命の相手を見つけちゃったから早く仲良くしたいんだよね。でも、相手にはすでに彼氏?みたいな人がいて振られたって泣いてたのよ。真葵人の霊力だとシンクロするけど制御できてないから…。要するに前世に乗っ取られたわけね。


ええっ?俺そんなことになってたの?


そう。気が付かなかったの?


全然…。


真葵人…平和な現世生活をするために修行してみる?


いやだ!


それならそれでいいけど、達哉に迷惑かけないでね。


なんでさ?あーちゃんの前世のダンナなら多少の迷惑くらい我慢してくれてもい、、、


真葵人!ストーーーーップ!!


あ、ごめん俺、、、つい…


ついも何もないわよ!達哉聞いちゃったじゃない。


へっ?今何か言った?


聞いてなかったの?


動画配信のライブがあって聞いてたから何も聞こえてなかったけど、なんの話?


聞いてないならいいよ。


そう言われると気になるだろ。


そうか…、その話はまた今度ね。真葵人、もう大丈夫だね?先に帰るよ。

達哉、帰る前にトイレ貸してね~


どうぞ。


かぁちゃまの姿が見えなくなると達哉パパはマキトに向かって一言。


真葵人君、俺がかやの前世のダンナって本当?


あっ聞こえてました?


本当はね。でも、かやが隠しておきたいらしいから俺が聞いたの黙ってて。


りょ!


マキト了解らしいけどさぁ…。達哉パパ、すずひよも聞いちゃったんだけど…黙っとくの?


ひよりとねーたん黙っててって言われてないから、言ってもいいと思う~!


だよね~。すずなもそう思う~。


霊力がない達哉は、すずひよの会話の内容が分からないまま、すずひよの頭を撫でていた。


すずひよ良い子だから、ちゃんと伝えてあげるね!達哉パパ。


喜んでくれるかな。ひより楽しみだな~!


とりあえず、今は平和みたいだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る