第7話 占い師の家系は姉弟とも霊力強いことが多い件
今日はかぁちゃまのオトウト?のマキトが来た。オトウトって何?オイシイ?
「ひより!弟って言うのは… んと…ひよりが私の妹だよね。年下の男兄弟をオトウトと言うの。」
ってねーたんが教えてくれた。
「おおーーっ!こいつらが噂のすずひよか。可愛い可愛い (ハート)」
かあちゃまの弟のマキトって人は初対面なのに側に行くと優しさで包み込まれる感じで居心地がいい。ねーたんも同じみたいで2人で両脇にべったりくっついてみた。
「
「お家芸と呼んでくれ。」
ねーたん、お家芸って何?
んと…得意技?みたいな…?
「すずな、よく知ってるね。真葵人は前世から子供と動物には好かれるタイプなのよね。」
「じゃあ、私達が側に行きやすいのはそういうこと?」
「癒しのオーラ持ってるからね。」
「あの緑色の縁みたいなのが、オーラ?」
「そうそう。すずなも霊力あるね~」
「それなら、ひよりだって見えてるもん!」
「ひよりも霊力あるよね!」
「あるある。」
「あーちゃん俺の話も聞いてくれよ。」
「で、今日はどうしたの?何の相談?悩み事?占いなら高いよ。」
「ええーっ!あーちゃん身内価格でやってよ。」
「やっぱり…。例の恋人探し煮詰まったね…」
「そうなんだよ。見つかるはずの場所なのに出会えないんだ…」
「相変わらず詰めが甘いわ、真葵人」
「えっ?何で?どこが?どうして?」
かぁちゃまの話によると、マキトは今生で前世の恋人と出会って幸せになる計画を立てているんだって。それで、前世の恋人と出会えると目算してた場所に参加したけど出会えなくて焦ってるんだって。
「焦ってるってとこは余計だ。すずひよ」
「だって、かぁちゃまがそう言ってたもん!」
「もん!」
「人っていうのはさぁ本当のこと言い当てられると腹が立つたんだよねぇ、真葵人!」
「あぁもーうっせぇなぁ!」
「短気は損気、って言葉知ってる?」
「いや、だからさぁあーちゃん、俺どうしたらいい?どしたら会える?」
「もう出会ってると思うけど?」
「えっそれらしい人物はいなかったと思うけど…」
「前世の恋人って言ってもさ、前世そのままで現世に生まれてくるけじゃないよね?
昔のままのイメージで探してるんじゃないかな?もっと本質見抜かな…あっ」
「な、なに?」
「オーラで見た?」
「見たけど人が多くて途中で疲れた。」
「気合入ってるっていうわりに疲れるの早いね。」
「だからさぁ、あーちゃんに助け船を出してもらおうと思ってさ。」
「高いよ。」
「だから身内価格で…」
「大丈夫、金銭じゃないから。体で払ってもらう。」
「いやいや。姉弟で体って…」
「バーカ!さすがにそれだけは無いわ。今度大きなお祓いの予定があるから助手してくれる?」
「達哉さんは?」
「達哉はドライバーには向いてるけど、お祓いの助手なんかさせたら憑りつかれるからダメ~」
「お祓いの助手ならいいよ。するする。俺も興味あるし。」
「じゃ何で出会えないか…だよね。まずその人と真葵人の間を邪魔してる人がいるよ。真葵人と仲の良い友人だから気づかないんだと思う。それと、前世と出会った頃を思い出してみるといいよ。出会って間もないのに近くに来てる人がいないかな?キーワードは『風』ついでにいうと今生は年上ね。」
「近くに来てる人…年上… ん… あああっっ!」
「見えてきたかな?」
「うん!たぶんあの人だ!今度ゆっくり話をしてみるよ。いつもサークルの代表に邪魔されて…
あーちゃんの言う通りだ!」
でしょ。これで見えてきたかな?じゃ助手するって条件忘れないように。」
「あいよー!お安い御用だ!」
「調子のいい奴だわ本当に。あんまり軽い言動してるとまた誤解されるよ。」
「それだけは避けたい!」
「そうだろうね。クスクス」
かぁちゃまクスクス笑ってる。何か面白い場面が見えてそうだなぁ。
「そういやさ、あーちゃんも前世のダンナを探してるって言ってなかった?」
「言ってたよ。」
「見つかった?」
「さぁてね。ぷぷぷ」
「『さぁてね』は俺の前世の口癖じゃないかよ~」
「だから何?」
「それって誤魔化したい時に使う言葉だよね。」
「そうだけど。」
「ってことはさ、あーちゃん見つかってるんでしょ?」
「そうだけど。」
「進展した?」
「進展して後退して宙ぶらりん。」
「何それ?」
「大人の恋だから真葵人には分からないのよ。ぷぷぷ~」
「あーそうなんですかー。子供で悪かったね!」
「私のことはいいから、早く見つけ出さないと取られちゃうよ~」
「そればダメだ!あーちゃん俺もう行くよ!」
「はいはい~!頑張ってね~」
マキトはダッシュで帰っていった。
かぁちゃまが前世のダンナを探しているなんて初耳。
「ねえねえ、かぁちゃま。さっきの『進展して後退して宙ぶらりん』ってどういう意味?」
「仲良くなったけど、別れて、でも友人みたいにして仲良くしてるってこと。」
「えっ?それって達哉パパのこと?」
「そうそう。」
「達哉パパは前世夫婦だったって知ってる?」
「全然知らないよ。前世を知る力ないからね。」
「かぁちゃまからは言わないの?」
「言ってもねぇ…」
「信じない?」
「そうでもないだろうけど、前世のダンナが今度もダンナになるとは限らないからね。」
ひよりにはよく分からないんだけど、かぁちゃまが言うには…
私達の前世が夫婦になったのは私の義理の父が達哉に頭を下げて一緒になってくれって頼んだから夫婦になったのね。たぶん達哉の前世には思う人がいたはずなんだ。でも恩ある義父から言われたら断れなかったんだと思うよ。
達哉の前世も私の前世の不遇を知って同情したのもあると思う。
お互いにお互いを忖度して一緒になってるからね。本音がどこにあるのか分からなかったし、達哉の前世はそれで幸せだったのか分からないから無理強いできない。
「でもさぁ達哉パパは一緒に住もうって言ってたよ。」
「あれは、すずひよと一緒に住みたいからよ。すずひよのパパになりたいんだから。」
「でも実質パパ的な存在だよね?」
「そうなんだけどね。」
「達哉パパって呼んでるのにね。」
「そこよそこ!残念なことに達哉は霊力ないから、すずひよが『達哉パパ』」って呼んでるのわからないのよ。」
「ええーーっじゃ達哉パパにはどう聞こえてるの?」
「ニャーニャーー」
「そうか!すずひよ猫語で話てた!かぁちゃまと普通に話できるから忘れてた~」
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